研究紀要第50号 「学校経営改善に関する研究 第2年次」 -033/071page
(3) 実施の時期
教育課程評価のねらいを達成し,動態的な教育課程の経営を進めるには,年度末一回だけの評価より評価計画に従った意図的,組織的な評価活動による年度途中の評価が大切である。本研究の視点にも述べているように,教育課程の評価は,形成的評価の考え方に基づき,結果としての評価だけにとどまらず,日常の教育活動や日々の授業に生かし,教育課程の実質的な効果に反映されなければならない。したがって,そのためには,年度末だけの評価に終わることなく,年度途中の評価やたしかめを重視し,評価の機能を十分に発揮するようにしなければならない。さらに,このような評価計画による具体的な評価活動は,教職員の意識を高め,教育課程経営への主体的参加につながっていくものである。
本研究においてもこの点に留意し,年度末の評価のみに偏ることなく,年度途中の評価として学期末の評価も実施できるよう配慮して,2種類の評価票を作成するように試案の開発を進めている。ただし,学期末の評価の時期や回数については,各学校の実情により大きく異なるので,実施に当たって創意が図られるよう,評価票試案の大要を示すにとどめるつもりである。なお,各学校において,教育課程評価の実施時期を設定するときの留意点は次のようなことがあげられる。
○ 年度当初に,全職員の教育課程評価についてあらかじめ共通理解を図っておくこと。 ○ 評価計画に年度末・学期末の評価を明確に位置づけておくこと。 ○ 評価計画と学校経営計画との関連を図り,年間をとおして意図的,計画的に進めること。