研究紀要第50号 「学校経営改善に関する研究 第2年次」 -035/071page
その場限りの進め方になりやすい。 キ 編成日程を余欲をもってとることができず,審議が十分に行われない。 ク 年間の学校運営計画に位置づけておかないので,どうしても3学期あるいは年度末に編成事務が集中しがちである。 ケ 編成のための組織を確立して編成にとりかからないところに問題がある。 コ 組織をつくっても複雑すぎたりして,組織が機能的に働かない。 サ 教育課程の編成についての評価が行われないため,毎年同じような編成過程をとるようになる。 シ 教育課程編成に対する研修を深める必要がある。 ス その他
〈集計〉
項目 ア イ ウ エ オ カ キ ク ケ コ サ シ ス 中学校 3 7 22 6 7 3 24 11 0 0 4 12 1 N=36
100%
問(2) 教育課程編成に当たって,学習指導要領の事前研究について一つ選んで下さい。
ア 現職教育計画に位置づけ,組織的に行った。 イ 編成の計画に位置づけて計画的に行った。 ウ 学年部会,教科部会等に自主的に行わせた。 エ それぞれの教科担任,学級担任に自主的に行うようにさせた。 オ 特に意図的にはとりあげなかった。 カ その他
〈集計〉
項目 ア イ ウ エ オ カ 小学校 13 24 29 25 9 0 中学校 11 30 22 31 3 3
N=53
N=36
100%〈考察〉
問(1)の調査結果から,教育課程そのものや,編成に対する教師自身の意識の低さ(ア・イ)を阻害要因としてあげている学校は,先の小学校の調査では20%弱であり,さらに中学校においては10%という結果からみて,教師一人一人の教育課程に対する意識と理解は高まっているとみてよいであろう。
しかし,その意識や理解が,積極的な編成活動への参加,ひいては学校としての組織的編成活動に結びつかないのではないかということも,この調査から推察される。それは教師一人一人の編成の実質的作業ともいうべき指導計画の作成となると広地域カリキュラム依存となり,小・中学校とも約40%の学校が,第1位にとりあげ問題としているところからも判断される。編成に対する意識と実践のずれともいえるのでなかろうか。さらに関連設問(2)によりさぐってみよう。教育課程の編成に当たっては,学習指導要領の趣旨や内容について,教師全員が理解を深め,学校の実態や諸条件を把握し,共通理解のもとに作業を進める必要がある。その際,基本的なものとして考えられる,学習指導要領の事前研究の実際をさぐってみた。
調査の結果,現職教育計画や教育課程編成計画に位置づけて計画的・組織的に事前研究に当たったとする回答が,小・中学校とも約40%を占めるが,新教育課程実施1年ないし2年の成果を評価し,改善するとすれば,これ以上の数値を示すことが望まれるのではなかろうか。学年部会や教科部会等で自主的に当たったとする回答が小学校では約30%,中学校では20%強を占めていることは好ましいが,その質の程度を問われなければならないし,特に教科担任や学級担任にまかせっきりの自主的研究が,小・中学校とも大差がないにしても,中学校においては30%強で1位を占めていることは問題があろう。
学習指導要領で示されている基本方針をはじめ,その内容の研究が組織的に行われるような,各学校の体制づくりが,教師一人一人の編成意識を高めていくことにつながるものであろう。
問(3) 教育課程編成のための繊織体制について,次の各問に答えて下さい。
ア 学校をあげて組織的・計画的に当たった。
イ 大体組織的に進められた。
ウ 組織的な配慮はしたが思うように進められなかった。