研究紀要第50号 「学校経営改善に関する研究 第2年次」 -038/071page

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キ その他

〈集計〉
項目
小学校 14 8 40 32 6 0 0
中学校 14 11 38 34 3 0 0


N=56
N=36
 100%

問(5) 週案は,次時や次年度の指導計画の改善に役立っていますか。あなたの学校の先生方の一般的な傾向と思われるものを,次の中から一つ選んで下さい。


意図的・計画的に反省・評価が加えられ,指導法や年間指導計画の改善に役立っている。
反省・評価はされるが,指導法や年間指導計画の改善にまでは結びついていない。
実施されたままとなり役立っていない。
その他

〈集計〉
項目
中学校 17 75 8 0
N=36
 100%

〈考察〉

編成過程での調査結果によると,年間指導計画の作成に当たって配慮したことについて,小・中学校のすべての調査校が,基礎的・基本的事項の定着,系統性を重視した等の指導計画の作成としている。

ここでは,このような作成計画が実際の編成活動にどう結びつき推進されているかの実態を把握し考察してみる。問(1)の小学校の調査結果から,広地域カリキュラムをそのまま利用している学校が20%を占めていることは,問題でなかろうか。

年間指導計画は,地域や学校の実態に即し,学校の創意によって作成することを基本とする上から検討されなければならない。

この調査でイに64%集中したことは,いちおう望ましい結果と評価されるが,自校化の質についてさぐってみる必要があろう。このような設問のあいまいさの反省にたち,中学校の調査では,自校化の程度について設問してみた。その結果,教科書会社の発行する指導書の利用及び広地域カリキュラムをそのまま利用しているとする回答はあわせて10%にとどまっている。ただし,自校化といっても,時数の修正,あるいは時数の修正と単元・題材等のくみかえ程度と回答しているものが,あわせて70%を占めていることは,編成過程での計画が実施の過程にまで結びついていないことを強く示しているといえる。

問(2)の小学校の調査による年間指導計画の作成状況についてみると,ア・イを含めて50%以上占めていることは望ましい結果として受けとめられるが,関連設問で年間指導計画を自校化する上で配慮したことの問いには,約50%の学校が無答である。このことは,中学校の調査結果と同様に,教育目標の具現化を図るための年間指導計画の作成がややもすると,時数の修正や単元・題材等のくみかえ,修正をもって自校化していると回答しているのではないかと推察される。

これと合わせて問(3)小学校の調査で,年間指導計画の未整備の教科・領域について分析してみると,問(2)の広地域カリキュラムの自校化を図ったと回答した36校(64%),学習指導要領及び教科書をもとに作成したと回答した8校(14%),その他1校,計45校の年間指導計画の整備についてを分析すると,教科・領域ともに全部整備している学校は18校にとどまり,27校は自校化しているといっても,未整備の教科・領域が目立っているのが現状である。

次に問(4)から,授業の実際における週指導計画(週案)の活用の実態をさぐってみたい。週案を指導の実際に生かしていると回答しているものは,小・中学校とも14%と低く,時数の管理及び進度の調整に役立っているとする回答が,小・中学校ともに72%と高い率を占めていることに注目したい。

週案は,毎日の授業に直結する大切な指導計画であるとするならば,授業の質的な改善を図る上からも考え直してみることが大切でなかろうか。

問(4)の関連から問(5)の年間指導計画のための週案活用の実際をみてみる。調査結果から,週案の活用に当たって,意図的・計画的に反省・評価が加えられ,指導法や指導計画の改善に役立ってい


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