研究紀要第50号 「学校経営改善に関する研究 第2年次」 -040/071page

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〈考察〉

問(1)の調査では,ウ「どちらともいえない。,を中心に(イ31%,ウ47%,エ14%)回答が集中しているように,教育現場における教育課程評価に対する職員の意識はまた十分とはいえず,理解・認識を高めるための具体的な手だてを講じる必要があろう。

問(2)の調査は,どれもプラスの選択肢であるので,回答が分散されることは予測されていたが,ウが70%台にとどまっていることに問題があると思われる。

教育課程の評価のねらいは,次年度計画更新のための資料を得るためであることが,十分理解されていないことの表われであると受けとめることができるであろう。特に,回答者は,教育課程評価に密接にかかわる立場の職員であることを考えあわせると,見逃がすことのできない間題点といえるであろう。

また問(3)の調査は,問(2)と同じ内容を職員一人一人を対象にして行ったわけであるが,ウは18%にすぎず,学校と個人の回答に大きな開きがでてきている。(問(3)ウを200%に換算しても36%)このことから推察すると,教育課程評価のねらいに対する職員一人一人の理解・認識の希薄さが指摘されるであろう。

したがって,問(2),(3)の調査から考えた場合,教育課程評価のねらいについての共通理解を図り,評価活動への参加意欲を高めることが,現状における各学校の課題であるということができるであろう。なお,このことを裏づける回答が調査結果(後述[2]の項の問(3)及び[3]の項の問(3))に表れていることからも推察されるのではなかろうか。

以上の調査と考察から,教育現場における教育課程評価に対する意識について,現状の問題点を集約すると,次のようにまとめることができるであろう。

〈問題点〉
教育課程評価に対する教育現場の意識は,編成・実施に対する意識より低く,教職員個々の理解・認識を得るまでには至っていない。

(2) 教育課程評価のための組織やその活動

このことについては,次の三つの設問及び集計結果から考察し,問題点を明らかにしていきたい。
ア 教育課程評価の組織(小字校)――問(1)
イ 教育課程評価の組織(中学校)――問(2)
ウ 教育課程評価実施上の諸問題――問(3)

問(1) 教育課程の評価は,どんな組織で行いますか。一つ選んで下さい。


職員会議・研究協議会などの全体会
学年会・教科部会などのブロック会
企画委員会・学年主任会などの代表で組織される委員会
教育課程委員会など,特別に組織された委員会
評価部会などの校務組織に位置づけされた専門部会
ア〜オまでのいくつかの組み合わせ
その他

〈集計〉
項目
小学校 66 17 4 2 0 11 0
N=53
 100%

問(2) 教育課程の評価を行うとき,職員会議,研究協議会などの全体会以外では,どのような組織を通して(生かして)行いますか。一つ選んで下さい。


学年会・教科部会等のブロツク会
企画委員会・学年主任会等の代表で組織された委員会
教育課程委員会等の特別につくられた委員会
評価部会等の校務組織に位置づけられた専門部会
ア〜オまでのいくつかの組み合わせ
その他

〈集計〉
項目
中学校 33 22 12 9 18 4
N=36
 100%


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