研究紀要第51号 「学習指導の個別化 個に応ずる研究」 -010/080page
(2) 研究主題の解決策
[1] 前提条件
ア 生徒一人一人の実態を把握し,個に応じた働きかけをするために,下記の資料を「学習指導カード」にまとめ,活用する。
・学力診断テスト ・前提条件テスト
・事前テスト ・1学期の成績
・Y−G性格検査 ・徴候観察記録
・数学の学習についてのアンケート
イ 学習にむける,個のつまずきや到達度に応じられるような学習コースを準備し,生徒一人一人に確かな学習が成立するように配慮する(分枝型学習)。 [2] 解決策
〈1〉 「学習のめあて表」によって,単元における学習の流れと,毎時間の学習のめあてをとらえさせる。 〈2〉 形成的評価問題をもとに,自己のつまずきの原因や到達の度合いをとらえ,それに応じた学習コースを選択させ,その学習を進める中で,個に応じた働きかけをする。 〈3〉 「自己評価票」をもとに,学習についての自己確かめや反省をさせ,その結果に基づき教師がコメントを記入することなどによって,個に応じた働きかけをする。 (3) 研究の方法と計画
研究主題の解決策の効果を判定するための方法と計画は次のとおりである。
[1] 本研究は,福島県教育センター「学習指導の個別化に関する研究」のプロジェクトチームによる実証研究とし,検証授業を推進するために次の協力校,協力委員を委嘱する。
・研究協力校 1校
・研究協力委員 2名[2] 単元名,対象学年について
・方程式
・第1学年(一群法)[3] 検証授業の期間について
・昭和57年10月下旬〜11月下旬
この期間に,3回の授業研究を実施し,生徒一人一人の確かな学習の成立を図るための「個に応ずる働きかけ」を行い,そのあり方について研究する。
をお,この授業研究は,観察の観点を明示した「2−1−2方式の授業研究」(福島県教育センター紀要第39号)によって実施する。[4] 学習指導カード
生徒一人一人の実態を把握し,個に応じた働きかけをするための指導資料として,学習指導カードを作成する。そのために,下記の調査・検査を実施する。
・学力診断テスト ・前提条件テスト
・事前テスト ・1学期の成績
・Y-G件格検査 ・徴候観察記録
・数学の学習についてのアンケート
以上は,9月中旬までに完成する。[5] 抽出生徒について
上,下位から男女各1名ずつ,中位から男女2名ずつ,計8名の抽出生徒を選び,3回の授業研究の中で,この生徒たちを中心に観察を進める。 [6] 解決策の効果の判定について
事前と事後に次の調査・検査を実施し,その結果を比較して,解決策の効果を判定する。
・事前・事後テスト
・イメージテスト(SD法)
・数学の学習についてのアンケート
・数学の学習についての感想文[7] 研究のまとめと紀要原稿執筆開始 12月上旬
[8] 紀要原稿完了 昭和58年1月下旬
[9] 紀要完成 昭和58年3月以上,研究の構想についてその概要を述べてきたが,教師及び生徒の活動と研究調査の関連を示したのが,次ぺ一ジの「研究の構想図(2)」である。