研究紀要第52号 「教育課程の実施に関する研究」 -005/090page
文法事項 時制 ア.現在形及び現在進行形(1年)
イ.過去形,未来形及び過去進行形(2年)
ウ.現在完了形(3年)※中学校で指導のものに,次のものを加える。
ア.現在完了進行形
イ.過去完了形受け身 ア.現在形及び過去形(2年) ※中学校で指導のものに,次のものを加える。
ア.未来形不定詞 ア.名詞用法,形容詞用法及び副詞用法(目的を表すもの)(2年) ※中学校で指導のものに、次のものを加える。
ア.副詞用法(原因を表すもの)関係代名詞 ア.関係代名詞which,who及びthatの制限的用法(これらが省略された場合も含む。)(3年) ※中学校で指導のものに、次のものを加える。
ア.what関係副詞
ア.when及びwhereの制限的用法 その他 ア.名詞のうち,主として,普通名詞及び固有名詞(1年)
イ.名詞のうち,普通名詞及び,固有名詞以外の名詞(2年)
ウ.代名詞のうち,人称,指示,疑問及び数量を表すもの(1年)
エ.形容詞及び副詞の比較変化(2年)
オ.動名詞のうち,動詞の目的語となるもの(2年)
カ.動名詞のうち,動詞の目的語以外の基本的な用法(3年)
キ.現在分詞及び過去分詞の形容詞用法(3年)※中学校において指導しているものに、一層慣れさせる。 III.言語活動を中心とした年間指導計画
指導計画は期間からみて,年間指導計画,週指導計画(週案),日案,時案(学習指導案)に分けることができる。その中の年間指導計画は,前項IIで述べた学習指導要領の目標に迫るため,各学年の内容を発展的に指導できるように年間にわたって配列した各領域,各学年の指導計画である。
ところで,従来の年間指導計画は,単なる言語材料の羅列であったので,実際の授業を行う上では具体的に生かされず,進度の確認を行う程度に使用されていたのではないかと反省される。そこで,利用度の高い,親しみやすい年間指導計画の必要性が出てきたわけである。しっかりした計画のないところには,充実した授業実践の継続は無理であろう。前年度の反省に基づいて教科部会で十分話し合い,各領域,学年等の連携,協力を密にしながら,地域や学校,又は生徒の実態に即したよりよい計画の作成に努めなければならないと考える。
さて,言語材料を教え込む学習活動中心の計画から,言語の実際の使用につながる表現力の育成を目指して,言語活動中心の計画の一例を次頁に示した。〈New Prince:第3学年英語科年間指導計画No.1より〉
次に,作成上の留意点を述べ,考察したい。
(1) 題材そのものからくる内容を明示することは,言語活動を円滑に行うため,あるいは,他教科との関連上大切である。
(2) 各Lessonの内容上の目標を(〜を読みとらせる,〜に気づかせる,〜を理解させる,〜を書こうとする意欲を持たせる,〜を感じとらせる)等の表現で,言語材料からくる目標とともに提示しておくようにする。
(3) 言語材料の目標がないと,目標の.明確化が図れず,授業が平板に流れてしまい,文のきまり等が定着しないために,有効な言語活動に発展しないで終わってしまう心配が大きい。
また,言語材料については,学習指導要領を正しく読みとり,地域や学校の実態に即して,理解にとどめるものと表現できるようにさせるものと区別を示した計画とすべきであろう。
(4) 指導内容の項目については,学習指導要領の趣旨,又は指導法の転換の時期等を考慮して,言語活動そして言語材料の順序にするのが適当であると思う。
(5) 言語活動については,3領域4技能のバランスを年間でとるように計画し,そのLessonは,どの領域の言語活動に適しているかを(H.S,R,W)等で示しておく必要があろう。また,教師の手法を計画的,意図的に取り入れて,変化のある言語活動に発展するように,具体的な内容を示したが,あくまでも例であるので,生徒の実態を十分考慮して,あるいは学年相互において弾力的に取り扱うことができるものとした。
(6) 年間指導計画を機能性のあるもの,親しみやすいものとして充実させるように,加除,訂正,補足して次年度にそなえる。
(7) 教材分析を十分行い,生徒の実態に応じて