研究紀要第52号 「教育課程の実施に関する研究」 -042/090page
7) 家庭の仕事を男女でどのように分担すればよいと思うか。
表20:家庭の仕事の男女の分担
家庭の仕事の分担の仕方について4項目あげて質問した結果,全体として「男女で話し合いですればよい」が約37%で1位,次いで「平等に」となっている。
4年生では男女とも「平等に」が多いが女子は「女だけ」と答えた割合が比較的多い。
「わからない」が2年・4年に多くみられ教育の必要がある。
表21:家庭の仕事の男女の分担とその理由
家庭の仕事の男女の分担とその理由については,全体として「男女ともにする」が約50%で主流を占めている。特に6年の女子に多い。次いで「それぞれの家によって,きめればよい」が約23%となっている。4年以下では「わからない」の割合が高くなっている。(4) 家庭生活の認識に関する調査のまとめ
児童の家庭生活の認識の程度について
[1] 家庭生活の存在価値
[2] 家庭生活の機能
[3] 家庭の役割
以上の内容から学年段階,性別による発達の状況を見てきたが,調査から次のことがうかがえた。1) 家庭生活の存在価値
家庭の存在に対して肯定的な意識が見られるのは,児童が学校から家に帰ったときの気持ちで「ほっとする」41.7%,「うれしい」18.3%(計60%)である。
否定的な意識と思われるのは,「つまらない」10.6%である。
意識が薄いと思われるのは,「何も感じない」23.3%である。
学年別では,「ほっとする」が学年進級とともに増加し,男女間では女子が高い。
「うれしい」は学年の進級につれて減少する傾向が見られる。
帰宅時の気持ちとその理由では,「ゆっくりできる」の28%,「好きなことができる」の18.6%(計46.6%)が家庭を自己解放の場として肯定的に意識しているとみられる。
否定的に意識しているとみられるのは,「家族がうるさい」2%,「家庭の仕事をさせられる」1%(計3%)である。2) 家庭生活の機能
家庭の役目(働き)を10項目あげ,その中から児童が大切と思うものに○をつけさせた結果,2年〜6年まで共通して
1位 家族のみんなが楽しく過ごす
2位 子どもをよい人間に育てる
であった。