研究紀要第52号 「教育課程の実施に関する研究」 -044/090page

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意味があることに気付かせ,生活を見直すきっかけをつくり,自分の生活,行動をよりよい方向に改善し,生活のあり方を工夫していく力を持つ児童に育てたいものである。

調理は,食物領域の中心的内容であり,実習中心に学習が展開するが,その過程で,栄養や食べ方についても関連的に学習させるよう工夫することが大切である。

第5学年の生野菜の調理の学習に当たっては,野菜サラダの実習をとおして指導する学校が多いようである。

今回は「野菜サラダ」をとりあげ,生野菜の調理の学習の目標の明確化をはかり,行動目標を設定し,その分析を行い,調理技術をささえる条件として関連する食品の調理上の性質をあげ,それに関する実験を行い,指導資料としてまとめた。

(1) 生野菜の調理学習の行動目標の設定とその分析

最終行動目標


生野菜を用いた野菜サラダの調理計画をたて,作り方の要点に従って工夫し,能率よく作ることができ,目的に応じた調理ができたか確認できる。

第一次下位行動目標


[1] 淡色野菜の栄養と調理上の性質がいえる。
[2] 野菜サラダを作るに必要な材料と分量・作り方の要点がいえる。
[3] 野菜サラダの調理計画にもとづき要点に従って工夫し,能率よく作ることができ目的に応じた調理ができたか確認できる。

第二次下位行動目標


[1] 淡色野菜の栄養と調理上の性質がわかる。
[2] 生食を考えた野菜の組み合わせや新鮮な野菜の選び方がわかる。
[3] はかり,計量カップ,計量スプーンが正しく使える。
[4] 食品の洗い方,切り方ができる。
[5] フレンチドレッシングの材料・分量がわかる。
[6] 野菜とフレンチドレッシングを合わせる時期がいえる。
[7] 感じのよい盛りつけができる。
[8] 調理用具及び食器の安全で衛生的な取扱いができる。
[9] 調理計画にもとづいて能率よく,目的に応じた調理ができたか確認できる。
[10] 望ましい態度で食事ができる。

次に第二次下位行動目標を達成させるための指導資料として,野菜の調理上の性質に関する実験について述べる。

実験的な扱いをしたり,実験の資料を児童に提示する意図は,[1]食品の調理上の性質のような科学的な認識は実験・実習をすることにより高められる。もう一つは[2]科学的に物ごとを明らかにし,児童の心に印象深く残してやれば,これが保持され,後に経験をしようとしたとき,意識に現われ応用される,という考えからである。

次にとりあげたビタミンCのように,目に見えないものの指導には特に大切である。

(2) 野菜の調理上の性質に関する実験

実験1:野菜の洗い方によるビタミンCの流出

〔目的〕 ビタミンCは水に溶ける性質のあることを理解させ,適切な洗い方ができるようにする。

〔用具〕 ビーカー(500cc…2個,50cc…3個),一般調理用具,駒込ピペット…1本

〔試薬〕 2・6ジクロール・フェノール・インドフェノール1万倍液(青色)

〔材料〕 キャベツ…100g


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