研究紀要第52号 「教育課程の実施に関する研究」 -053/090page
また,TSSのコマンドの中には,更に詳しい機能に応じたコマンドとしてサブコマンドが用意されている。
利用者がTSSの端末を利用して,作業をを計算機に依頼したり,問い合わせをする場合,その端末がどのような状態のときどのようなコマンドを入力するかわからなければならない。
TSSでは,利用者が端末からコマンドの入力が可能な状態であるとき,“端末はコマンドモードにある”と呼んでいる。
端末がコマンドモードであるとき“READY”というメッセージが出力されている。
端末に“READY”が出力されたら,利用者は,EDITコマンド,LOGOFFコマンドなどを入力することができる。
また,コマンドによってはいくつかのサブコマンドを持っているコマンドもあり,例えば,EDITコマンドは,ソースプログラムの作成や修正を行うものであるが,CHANGEサブコマンド,RUNサブコマンドおよびENDサブコマンドなどを持っている。このようなサブコマンドが入力できる状態を“サブコマンドモード”と呼んでいる。例えばEDITのサブコマンドモードであれば,端末に“EDIT”が出力されている。
コマンドまたはサブコマンドを入力してある作業を行う場合,その作業に必要なデータを入力することがある。この状態のことを“データモード”と呼んでいる。例えば,EDITコマンドでは,ソースプログラムを入力したり,RUNサブコマンドで入カデータを端末から入力する場合である。端末がデータモードであるということは,通常端末に行番号などが出力される。この状態にあるときデータを端末から入力することができる。
このようにTSSを利用するとき,端末はコマンドモード,サブコマンドモード,データモードの状態にあり,それによって利用者はコマンド(サブコマンドを含め)やデータを端末から入力することができる。
このように端末は,三つのモードの移り変わりをくり返しながら,利用者と共に作業を進めて行くことができる。
最後にLOGOFFコマンドを入力することにより端末からの作業を終了する。
5.入カコマンドの簡略化
一つのまとまった処理を何度もくり返し行う場合,利用者が同じようなコマンドをくり返し入力しなければならない。このようなときに利用者の負担を軽くするために,コマンドプロシジャを使用して行う方法がある。
コマンドプロシジャは,TSSで使用されるコマンド(サブコマンド)と各種のコマンドプロシジャ文から作られており,一連の決まっている処理を示しているものである。
同じようなコマンドをくり返し入力しなければならないとき,一連のコマンドをコマンドプロシジャとして登録しておき,必要なとき呼び出すことによって,一連の処理は自動的に行われ,大変便利であり,効率のよい実習を行うことができる。
当センターを利用して行う生徒実習は,COBOL,FORTRAN,自動製図,NC工作機械が主であり,一連の処理のくり返しが多く,これらの実習はすべて,当センターで開発したそれぞれのプログラム言語に対応したコマンドプロシジャを呼び出すことによって処理を行っている。
[1] コマンドプロシジヤの概要
自動製図の場合は,作図データをフロッピィディスクヘ出力し,NCデータ作成の場合には,紙テープヘ出力する。このような処理の実行はこれまで説明してきた,TSSジョブとは処理形態の異なるバッチジョブで行わなければならない。
OS IV/F4 TSSにはバッチジョブを行うための会話型リモートバッチ(FIB:Foreground Initiated Bakground)と呼ばれる機能が用意してあり,これを利用する。
FIBを使用してバッチジョブを行うためには,これまで説明してきたTSSコマンドとは全く書式の異なる,しかも処理の内容に適した