研究紀要第52号 「教育課程の実施に関する研究」 -073/090page

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「学校への適応」に重点がおかれ,上級生になるにしたがって,「自覚」,「進路」,「校風樹立」「自己理解・自己実現」等が重点化されてくる。各校とも,発達段階,学年間の関連をおさえた重点目標になっている。

ただ,重点目標にもっと学校の独自性をもたせるとか,規則遵守中心だけでなく,もっと楽しい学校を目指すものがあってはどうか,という印象を受けるのも見受けられた。

表11:学年別重点目標の内容
(中学校)N=20
項目 1年
(校)
2年
(校)
3年
(校)
合計
(校)
1.基本的な生活習慣 12 7 4 23
2.生活への適応 4 1 2 7
3.学校生活等への自覚 3 7 15 25
4.個性の伸長 4 5 4 13
5.集団への参加 6 5 5 16
6.自律性・実践力 4 5 1 10
7.創造性 2 1 0 3
8.学校生活への充実 1 5 4 10
9.積極性 2 3 4 9
10.自己理解 0 9 14 23

[5] 領域及びその他の場と機会における生徒指導の役割(教育課程の領域及び教育課程外の領域等における生徒指導の役割)

この項目をもっとくだいていえば,教科,道徳(中学校の場合の領域),特別活動,朝の時間,昼休みの時間,給食の時間,放課後,部活動,家庭,地域等で,生徒指導を「だれが,いつ,どこで,どのように」指導するかを位置づける部分である。

これは,生徒指導全体計画の実施領域にかかわる中核的部分である。重点目標を受けて,教育課程の領域及び教育課程外の領域等で生徒指導を,どのように機能させるか,特に,きめこまかな計画が要求されるところである。

この部分は,重要性の高い割合には,あまり明確ではないようである。中学校の例でも,「あまりはっきりしない」のが2校である。高等学校の計画でも,この部分がないために,全体計画になり得ないのである。生徒指導の手引きに述べられている「補正と補充」が具体的にどう行われているか,具体的イメージがうかばない。部門別計画の段階まで具体的におさえたうえでないと,この部分は計画化がむずかしいのではないか。事例をみても,形式的なものに終わっているように見受けられる。特別活動などは,独自の領域をもつので,その場での計画は,考えやすいが,特に教科等の場合は,よほど明確な視点をもたないと,全体計画が形式化するおそれがある。この際,個別指導という発想に立って,その指導の場と機会をとらえ,その具体的手だてを工夫していく必要があるであろう。この指導の場・機会,手だての見えないのが問題なのである。学校生活の中での教科指導の全体に対する割合からも,また,教科指導の不適応が現代の問題行動多発の原因になっていることからも,早急に解決すべき問題であろう。

[6] 生徒指導の組織と指導体制

学校の生徒指導体制をいかに組織するか,また,その組織をいかに円滑に機能させていくかについて,教師の生徒指導観の統一が先決である。現在の生徒指導の重要性にかんがみ,生徒指導を領域概念ととる学校は少なくなったが,教師の意識の中には,まだまだ生徒指導は生徒指導部に依存する傾向がないとは,いえないようである。生徒指導は,「他の教師や生徒指導部にまかせがち」が,中学校の教師で74%,高等学校の教師で41%である。

これは,生徒指導の態勢に問題があるかと思われる。組織図は一般に校務分掌図として提示されている。生徒指導部が事務部や教務部と並列して設置されているので,生徒指導は領域概念と誤解され易い。その結果,生徒指導に関することは生徒指導部の仕事だととられがちである。

しかし,生徒指導部員がいかに有能であっても,教育課程内の領域及び教育課程外の領域で,生徒指導の機能を果たすことは不可能である。したがって,生徒指導はすべての教師が,学校


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