研究紀要第52号 「教育課程の実施に関する研究」 -078/090page

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「生徒と教師の望ましい人間的ふれあいを基盤にして自分の気持ちを表現できる生徒」
「生徒理解をすすめるための諸方策の研究と資料の整備」等をあげている学校があるが,参考にしてはどうであろうか。

[5] 学年別生徒指導の重点目標を設定する。

上記の[4]と重複するので,留意点を箇条書にするにとどめよう。

抽象的なものでなく,学校(学年)独自の問題を具体的に解決するような形で重点化する。
教師全員がこのような生徒にしたいという具体的な生徒像をあげさせる。
評価が可能なものをあげる。
学校生活が楽しくなるような性格のものをあげる。

[6] 教育課程の領域及び教育課程外の領域における生徒指導の役割(各教科・道徳・特別活動及びその他の教育活動における生徒指導の役割)を明らかにする。

図2:生徒指導と教育課程及び教育課程外との関係
図2:生徒指導と教育課程及び教育課程外との関係
(福島県教育委員会「生徒指導の進め方」一部修正使用)

ア.生徒指導と教育課程及び教育課程外との関係

この関係は,「生徒指導の進め方」を修正した図2によって表わされるであろう。つまり,生徒指導は,学校のすべての教育活動に機能するものである。

イ.生徒指導の内容と教育課程の領域と教育課程外の領域

この関係を表13を紹介しながら説明しよう。
生徒指導の分野として考えられ6分野を縦にとり,これらについて指導の具体的内容を設け,横に教育課程の3領域(高等学校の場合は2領域)とその他をとり,生徒指導の分野と教育課程及び教育課程外の関連をまとめたものである。これによって生徒指導は教育活動のすべての分野において推進されることが明瞭になるであろう。

これから,各領域における生徒指導の役割を考察していくのであるが,内容から見て道徳,特別活動は生徒指導と深くかかわり,その上,この二つは領域をもつので,生徒指導の場と機会をもっているといってもよかろう。ただ,各教科のみは,生徒指導の場と機会をつかみにくい。それでいて,各教科は生徒の在校時間中,最も教師との接触時間も多いだけに,この機会に効果的な学業指導を行いたいものである。全体計画において,この分野に力を入れようとするゆえんである。

表13:生徒指導の内容と教育課程及び教育課程外の場と機会(福島県教育委員会「生徒指導の手引。)
分類 指導の具体的内容 教育課程 その他 協力・連携
各教科 道徳 特別活動 昼食休 清掃 放課後 その他 家庭 関係機関
児童会・生徒会活動 クラブ活動 学級会活動 学級指導 学校行事
学級指導 ア.学習不適応の指導










イ.学習意欲を高める指導










ウ.望ましい学習習慣の指導










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