研究紀要第54号 「教育課程の実施に関する研究」 -034/071page
1000≦ N ≦ 10000 のとき 11/19
10000 ≦ 100000 のとき 17/19
となり,特に N ≧ 25000 では S/N はつねに 0.50 となっている。なお,このようすは,Nを横軸に, S/N を縦軸にとり座標平面をつくり,そこに点 (N,S/N) をプロットすることにより,視覚的にとらえさせたい。この作業は,生徒たちにさせた方がよいであろう。パソコンが生徒たちの作業をうばってしまい,生徒にとって受身の授業になってしまうことのないよう配慮したい。
このような実験は,時間的な面から敬遠されがちであるが,パソコンが導入された今,このシュミレーションは容易になったといえよう。
(2) 数列の和 (級数)
数列 a 1 ,a 2 ,a 3 ,・・・・・, a n ,・・・・において
Sn= a 1 + a 2 + a 3 +・・・・・+ a n とすると
Sn=Sn−1+ a n (n≧2), S 1 = a 1
ゆえに
Sn=Sn−1+a n ( n≧1 ) ただし S 0 =0 とかける。
したがって,数列 { a n } が与えられたとき,和 Sn を求めるときの流れ図は図2のようになる。
例2
において,n を増加させ,それに対応する Sn の値を求めることによって { Sn } の増加の様子を調べる。[ ねらい ]
級数の部分和の列が,単調有界であることを示すことにより,級数が収束することを示すことがある。この際,まず n の値を増大させ,それに対応する Sn の値の増加の状態から,収束する様子を感覚的にとらえさせ,その後で証明させる。一方・級数 についても,同様に Sn の値の増加の様子を感覚的にとらえると収束するようにみえるが,実際は + ∞に発散することから,特に極限の場合,いくつ