研究紀要第54号 「教育課程の実施に関する研究」 -062/071page

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生は,小学校の31%,中学校の22%である。
 このデータをみるかぎり,OHPの利用状況はきわめて低いといえる。さらに,このデータ=福島県の実態であるならば,OHPだけでなく,他の教育機器の利用は,もっと悪いことになる。
 この傾向は,小学校の場合,低・中・高・担任外を問わずほぼ同じ傾向である。
 しかし,中学校についてみると,教科によってかなりの違いがみられた。中学校における教科別の利用状況をまとめたものが<図2>である。

<図2> 中学校における教科別利用状況
<図2> 中学校における教科別利用状況

[ 考察 ]
 教科によって,利用の度合いに違いのみられるのは当然のことであるが,教科間にあまりにも差がありすぎるように思われる。また,この差は,一般的に言われている,OHPを利用しやすい教科,TPを作りやすい教科というのと利用状況が一致している。今後,各教科の特質を生かした活用法を工夫・研究し,利用の増大をはかっていくことが非常に重要である。


(5) OHP利用のねらい

 授業の際,OHPはいろいろなねらいをもって利用される。先生方の利用の際の最大のねらいは何であるかを調査してみた。

設問5  OHP利用のねらい
 OHPの効果を生かした利用のねらいに,次のようなことが考えられますが,あなたはどの項目に一番重きをおいて利用しますか。

<表11> OHP利用のねらい
                               学校

  項目

小 学 校 中 学 校
理解や思考を助け,知識や技能の習得を確実にする 45.8% 53.5%
学習の動機づけをし,学習活動を積極的にさせる 25.6% 25.7%
共通の経験を与え,共同思考をしやすくする 17.3% 11.7%
経験の拡大・深化をはかり学習を助長する 9.5% 8.6%
望ましい態度や心情を育てる 1.8% 0.5%

[ 考察 ]
 小学校・中学校とも,非常によく似た傾向を示している。各項目の割合がほぼ同じであることはOHPの利用に関して,小学校と中学校,ともに違いがないことを示している。
 理解や思考を助け,知識や技能の習得を確実にするためにが約50%,学習の動機づけをし,学習活動を積極的にさせるが約25%である。この二つの項目で,全体の約75%になってしまう。
 このことから,大部分の先生方は,動機づけ,理解や思考,技能を習得させるためにOHPを利用していることになる。そのため,OHPを効果的に利用するためには,理解や思考を助け,知識や技能の習得を確実にするソフトウェア,学習の動機づけをし,学習活動を積極的にするソフトウェァの開発・製作が重要になってくる。


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