研究紀要第55号 「学校経営改善に関する研究 第3年次」 -004/089page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

総合的・客観的に評価することが大切であり,教育課程評価票(試案)もこの考え方を基盤として開発されなければならない。

○教育課程の評価は,形成的評価の考え方に基づき,結果としての評価だけにとどまらず日常の教育活動や日々の授業に生かされ,教育の実質的な効果に反映されてこそ教育課程の改善に結びついたといえよう。したがって,学期末や年度末だけの評価に終わることなく,日常の評価やたしかめを重視し,評価の機能が十分に生かされるよう努めることが大切である。教育課程評価票(試案)の開発だけにとどまらず,日常の評価に役立つより多くの評価用具を教育現場の各学校に紹介しようとする意図もここにある。

(3) 教職員の経営参加
○教育課程経営をめぐる諸問題をつきつめれば,教育課程経営にかかわる組織・運営をどうするかという,教職員の経営参加のあり方が問われることになる。高野桂一氏がこの経営参加について,次のように指摘しているがこのことが教育課程経営の基底とならなければならない。「教育課程の経営こそが学校経営の中枢であり,それへの教師の主体的な参加こそが,他の組織体(経営体)にみることのできない特色ある経営参加なのである。」

○教育課程の編成・実施・評価がそれぞれ効果的かつ効率的に進められ,一貫した経営過程として円環的に流れるためには,どのような組織で,どのように運営し,いかにその組織の機能を発揮させるかが問題である。この組織的活動の基盤をなすものが教職員の経営参加であり,それを支えると思われるものが教職員のモラールと協働意欲である。

○教育課程経営のための教職員のモラールを高揚し,協働意欲を喚起するためには,各組織間や教師個人間のコミュニケーションの深化を図る必要がある。そうすることにより教育課程経営のための共通理解が図られ,組織や教師間の連絡調整が円滑になり,それがモラールや協働意欲の高まりへと発展するのである。


3 研究の計画

本研究は,昭和56年度より3年間の多年次にわたる研究であり,次の年度別研究計画に基づき研究を推進してきた。

年度 昭和56年度 昭和57年度 昭和58年度
調査

対象

小学校 中学校 小・中学校
理論

研究

内容

1.学校経営と教育課程経営

2.教育課程経営の意義・機能

3.教育課程経営の概念−教育課程経営に関する諸説

4.経営的発想に基づく教育課程経営の見直し

1.教育課程評価の意義

2.教育課程評価の周辺−教育評価とアカウンタビリティ

3.経営的発想に基づく教育課程評価

4.教育課程評価の構想

教育課程評価票(試案)−の実際と使用方法

1.教育課程評価の実際

2.教育課程の改善

 

1.研究の趣旨

2.研究の構想−現状と課題

3.理論

4.教育課程経営の実態と考察(小学校)

5.PDSの各過程における問題点と対策

6.研究のまとめ

 

 

 

1.研究の趣旨

2.第1年次研究の経緯

3.理論

4.教育課程経営の実態と考察(中学校)

5.教育課程評価の問題点

6.研究のまとめ

 

 

 

1.研究の趣旨

2.「教育課程経営」の理論整理

3.理論

4.教育課程評価票(試案)活用の調査と考察

5.教育課程評価票(試案)の実際と活用方法

6.研究のまとめ

※資料編「教育課程経営の実際」事例

「教育課程評価用具」の紹介


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。