研究紀要第55号 「学校経営改善に関する研究 第3年次」 -005/089page
教育課程経営第1年次調査(小学校対象) ―― PDSの各過程における問題点と課題
第2年次調査(中学校対象)
県内小学校56校を対象に,教育、課程経営の実際について調査し,「組織化(組織的活動)」,「計画化(計画的活動)」,「調整化(調整的機能)」の二観点より,PDSの過程に即して班状を分析してみた。調査結果より要約された各過程毎の間題点と課題を整理してみると次のようになる。
過程
問 題 点 課 題 編
成
1.教育目標と教育課程の各教科・領域の目標・内容との関連が明らかでない。 2.自校の教育課程作成に対する教師一人一人の意識を高める必要がある。 3.教育課程編成に対する教師一人一人の意識を高め,それを具体的な活動に結びつける必要がある。 1 教育課程編成に対する教師一人一人の意識の高揚 1.一人一人の教師の経営参加をめざした教育課程編成組織が確されていない。
2.組織の役割・分担・活動内容が明確でなく,組織を生かした活動があまり行われない。 3.組織の機能を発揮し,編成活動が効率的に行われるために学校経営全体の立場から配慮する必要がある。 2 編成組織の確立と機能的活動 1.教育課程編成のための作業内容・作業手順等についての共通理解が図られていない。 2.学校経営全体の運営計画に教育課程編成計画が年度当初より明確に位置づけられていない。 3 編成作業の計画的推進 | P| ↓ 実践に結びつく指導計画| D↓
実
施
1.自校の教育計画を作成するという教師一人一人の意識がややうすく,広地域カリキュラムに依存しがちである。 2.教育課程編成のための組織が実施の過程まで発展しない。 3.作成された指導計画が実施の過程で指導の実践に活用されない。 1 実践に結びつく年間指導計画の作成 1.日々の授業の充実に結びつくように週指導計画の改善と活用が図られていない。
2.教育課程の実施状況をチェック・検討する場としての学年会のあり方に問題がある。 3.日々の授業。実践の中で反省・評価が行われるような評価方法がとられていない。 2 年間指導計画の活用と日常の評価の累積 1.授業の質的改善を図ろうとする教師一人一人の創意工夫にあまさがみられる。 2.授業の改善・充実に対する学校全体の組織的活動があまり行われていない。 3.児童の考え方・感じ方を基本とし,主体を児童においた授業への配慮が足りない。 3 新教育課程の実施にともなう授業の質的改善 | D| ↓ 指導計画の活用と日常の評価の累積| S↓
評
価
1.教育課程評価に対する意義・ねらいに対する理解と教育課程改善についての認識にあまさがみられる。 2.教育課程経営の各過程に則して評価が行われず,年度末の反省・評価にとどまりがちである。 1 教育課程評価の重要性についての意識の高揚 1.教育課程の編成組織が実施過程をとおして評価組織まで結びついていない。
2.改善につながる多面的・客観的な資料を収集するための評価組織の創意工夫が図られていない。 3.評価に対する意識・評価計画,評価方法等と相互に関連づけられた組織が確立されていない。 2 評価組織の整備と機能的活動 1.評価計画が学校経営全体の計画の中に年度当初より位置づけられていない。 2.教育課程評価の内容充実のための計画を綿密にたてておく必要がある。 3.教育課程改善の手がかりとなる資料を得るための総合的・客観的な評価が行われがたい。 3 評価計画の樹立と計画的推進 | S| ↓ 総合的・客観的な教育課程評価票の開発| P’↓
編 成