研究紀要第55号 「学校経営改善に関する研究 第3年次」 -011/089page

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(計画的活動) 弾力性に
  富む計画
 教育課程の経営の実際においては、当初の組織を生かし計画どおり運営され,実践されるとは限らない。綿密な計画立案を心がけるとともに,実践過程で計画を評価し,適切な対応により修正されるという,ゆとりと弾力性のある計画であることが大切である。
調整化

(調整的
 機能)

モラール
   の高揚
 教育課程経営においては,個々の教職員の主体的・積極的な経営参加への意思を統一したり,組織集団としての目標達成のための充実した協働の力によってその効果が期待できる。教育目標達成につながる質的に高い協働への意欲がモラールであり,これをいかに高めるかが教育課程経営においては最も配慮されなければならない。
コミュニケーション  教育課程経営における編成・実施・評価の各過程における実践活動の一つ一つについて,全教職員の共通理解を深め,組織体としての協働意欲を高めることは,すべて教師間のコミュニケーションにかかっている。したがって,コミュニケーションの行われる実際の過程や,そこに関与する要因を検討し,組織形態との関連を明らかにしておくことが教育課程の経営では重要である。

3 教育課程評価

 経営における「評価」は,理論的にも実践的にもきわめて大切な要素であり,教育課程の経営においてもまったく同様である。地域や学校の実態及び,児童生徒の心身の発達などを考慮して編成・実施した教育課程の,より高い価値実現を目指した改善を図るためには,適切な評価は欠くべからざるものである。このことは,教育課程の改善・充実に寄与するものと言える。

(1) 教育課程評価の重要性
 教育課程の評価は,教育課程の編成・実施をより効果的にし,より望ましい姿に改善するために欠くことのできない営みである。この教育課程評価が現在非常に重視され,強化が要請されている。
 その理由を次の二点より考えてみる。

1.新学習指導要領の趣旨の徹底を図るため
 新学習指導要領の趣旨の実現には,各学校における教育課程展開上の創意工夫や,直接指導に当たる教師一人一人の創造的な実践力が期待されている。すなわち,学校教育全般についての質的な転換が求められているところである。
 そのためには,すべての教職員が自校の教育課程についての関心をより高め,その編成・実施・評価にこれまで以上に主体的に取り組まなければならない。すなわち,各学校における教育課程の編成・実施・評価の各過程を見直し,真にゆとりあるしかも充実した学校にするためには,何をどうすることが最も大切であるかを見極め,その実現に努力することが大切と言えよう。そのためには,教育課程の編成・実施・評価の各過程を再度評価してみることが必要になる。
 文部省編,小学校教育課程一般指導資料 Iでも「・・・新学習指導要領では,各学校の創意工夫を加えた教育課程の編成・実施が期待されるので,各学校は,自らの教育課程充実のため,従来以上に教育課程の評価と改善に取り組む必要があろう。」と述べているのも,教育課程評価の重要性を示す


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