研究紀要第55号 「学校経営改善に関する研究 第3年次」 -035/089page

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本調査以前のアンケート調査の場合も,教育課程の経営をP-D-S-P’という経営的発想でおし進めていく際に最大の難点となっているのが評価過程であり,その中でも特に,評価方法が確立していないという回答が多かった。
 したがって,予想としては,1に集中し,その理由として「評価観点が明確なこと」「結果が数量化しやすいこと」があげられるものと考えた。
 結果は,1が小中学校ともに70%を上まわったが,2と3で30%近い回答があった。
 1の理由としては,「数量化しやすい,客観的である」「評価項目適当,観点明確である」「調査が簡便,統一した見解可能」「全体的傾向が把握できる,プロフィールで表せる」「自校の改善充実に役立つ,文章併記もよい」などが多く「教育課程評価票」を絶対的に支持しているものと考えられる。
 しかしながら,2と3の理由として「判断に苦しむ内容がある,具体的な問題はつかめない」「それぞれに長短がある,要は,結果を最大限に生かすことが大切」などがあり,学校規模などの実態に応じた活用のしかたや評価項目を吟味する必要があることがわかった。


問3 教育課程評価の結果を集計し,プロフィールとしてまとめた場合,それは学校の実態に照応していると思いますか。

                                  小  中 平均(%)
1.プロフィールの傾向は,本校の実態をかなり正確に表す。 18 10 14
2.プロフィールの傾向は,ほぼ妥当な線を示す。
  
81 85 83
3.プロフィールの傾向は,実態にあまり即応しない。 1 5 3

 本問は,評価結果と学校の実態との即応状況をたずねたものである。
 予想としては1に集中するものと考えていたが,結果は予想に反して1は20%に満たず,2に80%強と集中した。この理由として考えられるのは,自分の回答と学校のプロフィールとなって表されたものとの問に差が生じたことと選択肢が感覚的な回答を要求したものであったため,中間的な回答である2に集中したものと考えられる。
 しかし,いずれにせよ,3は,ほとんどなくプロフィールの傾向の有用性を立証しているものと思われた。

問4 今回使用した「教育課程評価票(試案)」についてお答え下さい。
(1) 評価領域について

                             小    中    平均(%)
1.もっと多くすべきだ。                      5 4 4
2.この程度でよい。 84 72 78
3.多すぎて負担に感じた。 11 24 18

 本問は,「教育課程評価票(試案)」の評価領域について感想を求めたものである。予想とし「は,2の回答がもっとも多く,3もいくらか出てくるものと考えた。
 結果は,上表のように,ほぼ予想通りであったと言える。ただ,3は,中学校の回答が小学校の2倍以上もあった。「文章記述」に比べれば,はるかに負担が小さいはずであり,真意は不明である。更に,ごく少数とはいえ,1が4%あった。
 このことについても残念ながらどの領域の評価を多くすべきかわからないが,自校の実態をよりくわしく杷握するための使用上の留意事項を作成していく段階で,より一層の吟味をすることにする。


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