研究紀要第55号 「学校経営改善に関する研究 第3年次」 -039/089page
このように,改善へ直結できる資料となることが指摘された。
(5) 本評価票(試案)の自校化への工夫について
ア PならP段階を重点的にとらえることなどに活用してみたい。
イ 学期ごとの評価(反省)と本評価票の関連をどう図るか。
ウ 本評価票の成果についての具体的な評価を加味する。
工 学期末にDを中心に評価し生かしたい。
オ 3年続けて実施し,その過程で自校化に取り組み改善の資料としたい。上記のような自校化への工夫が寄せられた。
(6) 本評価票(試案)使用後の全体感想及び改善に対する要望などについて
ア 学校の全体像が把握できてよい。
イ 今まであいまいにされていた点がプロフィール化することによって,評価の意識が高まる。
ウ 項目によっては,評価基準をどこに求めたらよいかむずかしいのもある。人によって厳しく評価したりあまく評価したりすることになる。
工 自由記述の欄があってよい。また,数量化できるのがよい。
オ これまでの大まかな反省評価よりも,細部について,全職員の理鰯と意見を反映できるので今後も使用していきたい。
カ 項目がやや多いと思われるが,全領域にわたっているのでやむをえない。
キ 全職員に記入してもらう項目と,特定のスタッフ(例えば,作成委員)に記入してもらう項目とがあるように思う。
ク 非常に具体的でよいが,個人の立場から評価するのがあるので,基準を明確にしたい。
ケ 評価は,全体をとらえるだけが目標ではないであろうから,個人の評価にも役立つものにしたい。
コ 必ずしも評価項目を二つずつにしなくてもよいと思う。結果の処理等からも精選すべきではないか。
サ かなり具体的な表現になっているが,抽象的な部分もあり,それぞれポイントを確実につかんで評価するには,時間的にもなかなか容易でない。
シ もっと簡潔な項目式で,評価の尺度が明確にできれば,さらに使いやすいものになるのではないか。そうすれば,評価者の偏りがせまくなると思う。
以上のように,研究協力校から「教育課程評価票(試案)」を実際に使用しての意見を求めたところ,文章記述など従来の方法よりは,客観的かつ具体的な評価が全領域にわたって得ることができるという点で大変よいということであった。
しかし,前にも記したように,観点の表現についてはそれぞれの学校により適合するように活用のしかたなどについて,更に検討をする必要があることがわかった。
そこで,研究プロジェクトのメンバーをグループ編成し,「教育課程評価票(試案)」の細部にわたり吟味を行うことにしたのである。