研究紀要第55号 「学校経営改善に関する研究 第3年次」 -040/089page

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3 教育課程評価票(試案)の使用・活用法

 当教育課程評価票(試案)は年度末用のほか,学期用の評価票を作成している。評価票の開発に当たっては,次の4点に留意し,客観的・総合的な評価とともに,動態的な評価ができるよう配慮した。

○チェックリスト的であること
○数量化した結果により,客観的な評価が可能であること。
○プロフィールに表すことで,全体の傾向を総合的にとらえることが可能であること。
○文章記述を取り入れ,問題点や反省・改善策の提案などについても,全職員の生の声が反映されるものであること。

 教育課程評価を実施するに当たっては,教育課程評価票の使用法とあわせて集計票の活用法についても十分理解されるようにしたい。以下,年度末用評価票及びその集計票並びに学期末用についても具体的な事例をもとに説明する。

(1) 教育課程評価票による評価(年度末用)

1.評価票の様式
 巻末の評価票試案(年度末用)のとおりであるが,その一部を抜粋し,表6として掲載する。

表6 教育課程評価票(年度末用)
表6 教育課程評価票(年度末用)

2.評価実施上の留意点

ア 教育課程評価をする前に,教育課程の意義やねらいについての認識を高める機会や場を設けるようにする。

イ 評価票への記入に当たっては,教育課程評価の結果に対し客観性・妥当性をもたせるため,観点についての解釈があいまいにならないよう留意する。そのため,教育課程評価票(試案)における観点についてはある程度順序性をもたせているが,評定尺度については評価実施者の主体性にまかせられている。
 したがって,評価以前に当研究でまとめた「教育課程経営評価対象構成表」や「教育課程評価票の評価の観点」などの資料を事前に配布し,全職員による共通理解が図られるよう配慮する。

ウ 教育課程の評価は,自校の経営の実態を明らかにし,次年度の教育課程経営の改善に資することがねらいである。
 したがって,特定の役割分担だけにこだわらず,すべての評価対象・観点について組織の一員として評価にあたるよう配慮する。


3.教育課程評価票の記入の仕方

ア 氏名について
 評価票の氏名の記入については,記名,無記名のいずれでもよいが,評定に責任をもたせたり,その結果を解釈する上で記名が望ましい。

イ 評定について
 評定に当たっては,各個人の判断をもとに行う。学校全体にかかわる教育活動の評価要素については,全体的な立場からみた評定とし,授業など教育活動の実際についての評価要素については個人の立場から評定する。
 本評価票試案においては,文末を原則として「・・・されている。」,「・・・している。」と区別してある。

ウ 評定尺度について
 評定尺度は,各学校の主体性にまつことになるので,各学校の実情に応じた工夫が期待


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