研究紀要第56号 「学習指導と評価に関する研究 第1年次・実態調査」 -000-01/053page
ま え が き
新しい教育課程の実施に当たって要請された授業の質的転換を図るため,各学校では創恵を生かし,実践研究に取り組まれているところである。特に教育を着実で有効なものにしようとする考えのもとに,教育評価についての関心も高まり,授業研究においても評価の機能に着目した研究が数多く見られるところである。このように,評価を教育活動の一環としてとらえることは,一人一人の児童生徒の個性や能力を十分に理解し,より確かな授業を具現するうえから重要な課題と考えられる。
このような考えのもとに,当教育センターでは今年度から「学習指導と評価に関する研究」のプロジェクトチームを組織し,3か年の継続研究に入ったが,この度第1年次の調査研究をまとめることができた。第1年次の研究では,県内の小・中・高等学校における「指導と評価」の実態をアンケート方式によって調査し,今後の研究課題を設定しようとした。
この調査は,当教育センター主催の研修講座を受講中の先生方を対象に,昭和58年7月から10月にかけて実施したものである。調査内容は,指導計画への評価の位置づけ,授業前の評価・授業中の評価,授業後の評価,学期末・学年末の評価,その他について校種別,教科別の立場から集計処理し,分析・考察を加えたものである。
今回の調査によって,評価に関する教師の意識,評価活動の現状,指導と評価に関する悩みや意見などを把握することができた。これらの調査から解析された諸問題については,今後,有効な解決策を見い出していきたいと考えているところである。なお,各学校におかれても,この調査結果を活用され,研究の手がかりにしていただければ幸いである。
最後に,この研究を進めるに当たり,アンケート調査に協力された先生方並びに調査項目の作成,集計・処理,考察に関して,熱心に討議に参加された研究協力委員の皆さんに改めて感謝の意を表する次第である。
昭和59年3月福島県教育センター所長 舟 山 昇