研究紀要第57号 「学習意欲を高める心理的治療の実践研究 第2年次」 -043/044page
テーマ 学習意欲を高める心理的治療の実践研究
本研究は第1年次の理論研究に引き続く実践研究である。本研究のねらいは,学習意欲に問題を持つ児童生徒に心理的治療を行い,これらの児童生徒の学習意欲を適切な段階へ高めることであった。
学習意欲に問題を持つ児童生徒を,「学習意欲検査」の結果により,1.学習意欲が低い, 2.各因子のばらつきが大きい, 3.自他評価の差が大きい,の3つの類型に分け,小・中学校各2名,計12名抽出した。そして,これらの児童生徒について各種の資料を整え,「治療カルテ」を作成して,各学級担任が心理的治療にあたった。
心理的治療には,カウンセリングや行動療法など多様な心理療法を用いた。1年後の「学習意欲検査」によれば,いずれも所期の目標とした適切な段階への変容がみられた。同時に,それぞれの児童生徒の持つ諸問題の改善と解決がはかられた。