研究紀要第58号 「教育課程の実施に関する研究」 -003/076page
特別活動の評価に関する研究
― 学級会活動の評価 ―
経営研究部 片寄 秀雄
1.はじめに
昭和59年度に,特別活動についての研究を現職教育の主題として取り上げている学校は,福島県内の小学校552校のうち,わずか9校で,1.6%という割合を示しているにすぎない。このことは,教師の特別活動についての考え方,各学校の研修への認識の相違など,その原因はいろいろ考えられるが,特別活動は人間形成上,重要な役割を果たすとされているだけに,この実態については,今後検討されるべき課題を包しているといえる。
また,特別活動の評価については,特別活動は実践活動が中核となるので,評価が容易でないという声が聞かれる。その理由としては,次のようなことが考えられる。
- 特別活動の各内容は極めて多様であり,そこにおける児童の活動もまた多彩である。したがって,教師が直接指導したり活動の様子を観察したりする機会が少ないため,評価がしにくい。
- 特別活動の評価は,結果よりも経過が大 事であるとされるため,形成的評価が教科などより更に重視される。
- 評価の対象が,指導計画・指導の方法・集団や個人の発達など広い範囲にわたるだけでなく,その方法も,教師による評価・児童による自己評価,相互評価と複維である。
したがって,評価が形式的になる傾向がみられる。
しかし,特別活動においては,人間性豊かな児童を育てるという教育的意義から考えても,学習指導要領に示されている目標に向かって,児童がどのように進歩したか,その状況について,継続的・総合的に評価することが要求される。
本研究では,特別活動の評価,特に学級会活動の評価に視点を当て,評価の観点や具体例をあげながらまとめる。
2.特別活動の目標と指導要録の評価の観点及び学級会活動の評価との関連
(1)特別活動の目標からみた評価の観点
第一義的に,特別活動の目標を分析し,評価の観点の具体化を図る必要がある。
「望ましい集団活動を通して」とは,特別活動の特質が実践的な集団活動にあることを指している。このような活動を通して,「心身の調和的発達」,「個性の伸長」,「集団の一員としての自覚」,及び「協カしてよりよい生活を築こうとする自主的,実践的態度」を図ることが,特別活動に求められている目標である。
この目標の達成を目指して指導し,その指