研究紀要第58号 「教育課程の実施に関する研究」 -005/076page
ているかどうかについて評価していく必要がある。この場合の評価の観点として,例えば次のようなものがあげられる。
- 学年段階に応じた学級の特性が考えられているか。
- 話し合いの活動,係の活動,学級集会の活動の内容のおさえ方は適切であるか。
- 毎週の時間割りに位置付けられているか。
- 児童の自発的,自治的範囲が適切におさえられているか。
- 指導計画と実施計画が明らかにされているか。
- 施設,備品,予算が活動しやすい条件として用意されているか。
- 他の活動との関連が明らかにされているか。
- 記録や整理のしかたが考えられているか。
- 評価の計画が立てられているか。
指導計画の評価をより深めるためには,話し合いの活動,係の活動,学級集会の活動の各内容ごとに適切な時間配分をするだけでなく,それぞれの指導計画を作成し,評価していくことが大切である。
2)各内容別の指導計画の評価の観点
1)で述べたように指導計画の全体的な評 価の観点に基づいて,学級会活動の各内容の指導計画が整えられなければならない。この吟味,検討を行うに当たっては,各内容の特質が指導計画の中に明示されているかどうかについて評価する必要がある。次に各内容ごとの指導計画の評価の観点を例示してみる。
ア.話し合いの活動
- 具体的な実施計画の手がかりとなるような融通性があるか。
- 学級の全児童が参加でき,喜んで活動できるよう考えられているか。
- 学級の全児童の希望や意見を尊重し,生かすよう配慮されているか。
- 児童が問題意識をいだき,自主的に解決に努める能カを育てるよう考えられて いるか。
- 児童が自ら活動の計画を立てたりするよう配慮されているか。
イ.係の活動
- 係の種類や数などは,児童の希望を生かして決めるよう配慮されているか。
- 各係の目標や役割が明確で,―人―人を生かすよう考えられているか。
- 児童が自己実現の満足感が得られるよう配慮されているか。
- 学級内の仕事を分担処理し,諸問題を解決するにふさわしい活動となるよう計 画されているか。
- 児童が意欲的に取り組み,よりよい仕事の処理のための創造的な活動ができる ような組織になっているか。
ウ.学級集会の活動
- 楽しい学級生活を築く活動が積極的に取り入れられた計画であるか。
- 児童の発達段階に応じて,幅広い活動が計画されているか。
- 学年に応じて年間の活動時間が適切に配当されているか。
- 児童自身のカで計画し運営することができるか。
- 児童の創意を生かして運営し,学級の児童が楽しく参加できるよう配慮されているか。
(2) 指導の方法の評価
指導の方法の評価は,教師自身に直接かかわる問題であり,主観に左右されやすく,基準もあいまいになりやすい面をもっている。そこで考えなければならないことは,指導に当たっては児童の自発的・自治的活動であることをふまえ,児童の活動を助長するところに,教師の役割があることを忘れてはならないことである。
ただし,児童の自発的・自治的活動である