研究紀要第58号 「教育課程の実施に関する研究」 -007/076page
通して,楽しく規律正しい学級生活を築いて いこうとする実践活動である。そして,その運営は,児童自身が学級集団の向上発展に尽 くすことができるよう指導されなければならない。
これらのことから考えると,学級会活動はまさに集団形成のための活動そのものといえる。ここに,集団の活動・集団の発達の評価が必要とされる理由がある。以下,その評 価の観点の例をあげてみる。
- 活動の目標をよく理解し,協カして活動しているか。
- 集団の秩序や規律がよく守られているか。
- 組織的な集団活動がどの程度できるようになっているか。
- なごやかな雰囲気のもとに活発に活動しているか。
- 自己の所属する集団と他の集団とのかかわりはどうか。
集団の評価に当たっては,教師による評価はもちろんのことだが,児童集団での話し合いや集団どうしでの相互評価,児童個人による反省評価なども合わせて行うようにしたい。
(4)個人の活動・個人の発達の評価
特別活動は,人間形成とのかかわりを重視 しており,児童活動の目標に示されている「健全な自主性」,「豊かな社会性」,「個性 の伸長」が,個人の活動・個人の発達についての評価の対象となろうが,これらの発達の 評価は,特別活動の目標の前段に掲げられている「自発的,自治的」,「集団活動」,「実践活動」などの面からもみていくことが必要である。評価の観点の例としては,次のようなことがあげられる。
- 積極的に自分たちの問題として考え,それを解決しようとする自覚がみられたか。
- 集団の一員として,集団の向上発展のために努力しているか。
- 集団の運営に進んで参加し,協カしているか。
- 実践活動を通し,仲間と協力できるか。
- 学級内の仕事を分担,処理することができるか。
- 話し合いや集会などに進んで参加し,自分の考えや意見なども言えるか。
以上のような教師による評価のほかに,児童による自己評価,相互評価,グループ評価などの方法がある。
4.学級会活動の評価の対象
以上,学級会活動における評価の観点を述べてきたが,評価を考える場合,次の四つの対象について取り上げる必要がある。
- 指導計画の評価
- 指導の方法の評価
- 集団の活動・集団の発達の評価
- 個人の活動・個人の発達の評価
更に評価には,指導計画や指導の方法などのいわば教師自身の評価,個々の児童や集団の発達に関する評価及び児童の自己評価や相互評価など児童に関する評価の二つの側面がある。
次にこれらのことについて述べてみる。
(1)教師の指導に対する評価
学級会活動の指導計画に基づき,学級会の授業が行われ,さまざまな活動が展開される。しかし,そこでの教師の指導が場当たり的で,主観的なものであっては,目標の達成を図ることは難しい。
ここに,指導計画や教師の指導についての計画的・継続的な評価が必要とされる理由がある。
その際,指導計画や指導の方法についての 有効性や適切性についても評価し,その改善 を図っていくことも必要である。
(2)教師による児童の活動についての評価
特別活動は,望ましい集団活動を通して,なすことによって学ぶ教育活動であるところ に特質があるとされる。そのため,児童のなすための活動とその過程を一人一人の児童の