研究紀要第58号 「教育課程の実施に関する研究」 -020/076page
2.計測の方法
日本工業規格,JISD1003には自動車用水冷ガソリン機関の試検方法が規定されている。試験項目としては,始動試験・無負荷運転試験,負荷試験,摩擦損失試験からなっている。また同時に,試験条件,測定方法および計算式が定められているのでこれに従った。しかし,内燃機関の熱カ学的性能は高低両熱源と作動流体の計測がとくに大切であるが,この規定にはないので,つぎに,その考え方を示す。
ア.吸入空気量
吸入空気量の測定は,定常流に用いる絞り流量計をそのまま使用することはできない。このため,第1図に示すようにサージタンクを使用して脈動流(非定常流)を鎮静させ,順逆流の流量係数の等しい丸形ノズルをタンクの壁面に設け,ノズル前後の圧力を測定し,圧縮性定常流の流量算出式(4の(2))から吸入空気の平均流量を求める方法をとった。
イ.空燃比
空燃比は,排出ガスの物理的性質の利用や排出ガスの分析から求める方法等もあるが,ここでは吸入空気量と燃料消費量の測定より計算で求める方法をとった。
ウ.熱勘定
正味熱効率,排出損失,冷却損失を算出し,他を摩擦損失として計算で求めた。
3.計測装置の概要
4.計測条件
供試エンジン 動力計 燃料 大気 機関形式 ニッサン
D11PU50-OA動力計形式 水冷過電流制動形 名称 ガソリン 室温 始 乾球 22.0(℃) 湿球 18.0(℃) 機関番号 86472 容量 30(ps)8000(r.pm) 比重量 0.7(gf/cm 3 ) 終 乾球 22.5(℃) 湿球 18.0(℃) 内径×行程 73x68 (mm) アームの長さ 0.358 (m) 低発熱量 11000(Kcal/Kgf) 大気圧 始 761.5(mmHg) 総排気量 1138 (cm 3 ) 動力計係数 1/2000 組成 C=84(%),H=16(%) 終 761.5(mmHg)