研究紀要第58号 「教育課程の実施に関する研究」 -053/076page

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文についての児童生徒の経験・興味・知識・能カ・態度等を知るときなどに用いられる。たとえば,それまでに経験,学習した作文の文種・時期・回数・学習事項・これから書きたいと思う作文の主題・文種等を質問し,答えを記入させる。

イ 観察法

(ア)児童生徒の学習活動を直接観察する方法。

(イ)児童生徒が指導されたことを理解できるかどうか,態度・習慣が身に付きつヽあるかどうかなどを評価するときに用いられる。たとえば,材料メモ・構想メモの作成の学習中の活動状況の観察によって,材料メモ・構想メモの利用能力を,また,記述後の観察によって推敲の能カ・態度・習慣が身に付きつヽあるかを知る。

ウ 作品の検査

(ア)作文,リポート,読書記録・主題表・材料メモ・構想メモ,評価表等を検査する方法。

(イ)指導後,児童生徒の能カ,態度等を評価する場合に用いられる。この作品の検査は,最も普通に行われている方法で,指導目標に応じた観点によって評価する。構想メモを添付させれば構成の評価が,また,下書きを添付させれば推敲の評価が容易となる。

エ 診断テスト法

(ア)ここではペーパーテスト法をさす。

(イ)これは,知識の調査に用いられる。

 たとえば,研究報告を書く場合は,主題の選び方,調査・研究のしかた,報告材料の収集・記録・整理の方法,研究報告構成の方法などをよく理解していることが前提となる。これらの知識さえあれば,すぐよい研究報告が書けるわけではないが,全くの知識なしでは書くことは非常に困難であろう。それで,そのような知識の有無をテストし,知識不足の場合は必要なことを指導するのである。

オ 面接法

(ア)質問紙法・診断テスト法と同じようなことを直接本人から聞く方法。

(イ)作文などについて,その良否を書いた本人と直接話し合いながら評価する。

カ 短作文

(ア)簡単に,短い時間で気軽に書きなれさせるための練習課題を総称していう。

(イ)各指導過程に位置づけて,200字程度の短い文章を書かせ,一人一人の児童生徒のつまずきや悩みを的確にとらえるために行う診断方法である。短作文は,分量が少ないので,かえって一人一人のつまずきの症状をとらえるのに有効である。また,数多くの児童生徒と書かれたものをめぐって面接指導も可能となり,個別化をはかるのにも比較的容易である。

キ 相互評価法

(ア)隣席の級友と作文を交換して相互に評価し合う方法。

(イ)級友による評価は,他人の目による客観的な評価がなされる点,読者の反応が直接かつ迅速に聞ける点に長所がある。これは,読者を級友とはっきり意識した,明快な伝達の文章を書く場合に特に効果的である。また,生徒に効果的に評価させるためには,評価の意義,目的・方法等を十分指導し,特にその観点を理解させておく必要があろう。

ク 自己評価

(ア)作品が完成した段階で,あらためて自分の作品を評価する方法。

(イ)この方法は,作品によっていろいろに工夫し,評価の項目をかえるとよい


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