研究紀要第58号 「教育課程の実施に関する研究」 -054/076page
が,一例として<表5>のような評価カードを作り,作品をつけて提出させる方法もある。自分で自分を評価することは,次の作品を作るうえにもたいへん役にたつことである。項目や形式を作品に応じてエ夫し,マンネリ化しないように心がけることも大切である。
<表5> 評価カードの一例
構成設計図を基にして書いた生徒作品
<表6> 診断の用具と方法一覧表
構成設計図を基にして書いた生徒作品
2) 症状に応じた治療法
ア 取材指導
(ア)症状―何について書けばよいかわからない。
(イ)治療法
ア)書くことを見つける方法を身につけさせる。
イ)題さがしの訓練をさせる。たとえば,「母」という言葉を題さがしの出発点として,題を作らせる。
・丘の向こうの母の生家 ・母の料理・家庭バレーボールでがんばる母・母の不思議な手・母の笑顔
このようにして,実際に「題さがし」の訓練をする。ウ)題さがしの手がかりになる言葉を与える。たとえば,家庭に関する題を見つけてみようとする場合は,項目のところに「家庭」としるした欄を見させる。すると,そこに家庭に関する言葉がいろいろある。その言葉の中から,興味をもった言葉や自分の経験や知識に結びつけることのできる言葉を選び出す。
<7> 題さがしリスト一覧表
項目 題さがしの出発点 クラプ活動 先輩 あいさつ きびしさ 感泣 疲労 ジャンプ 涙 初試合 チ―ムワ―ク 勝利 栄冠 惜敗放課後 友だち 家庭 祖父祖母 父母 母の仕事 お手伝い 食事 誕生日 ペット 引っ越し 宝物 家の出来事 散髪 旅行 おもちゃ 学校 学級 登校 帰り道 先生 用務員のおじさん 一年生のころ 校庭 給食 実験 そうじ 朝会 音楽 集会 休み時間 学級新聞 転校 展覧会 遠足 運動会 水泳 社会 バス 電車の中 わたしの町 テレビ 冒険 遊び 公園 道路 お祭り 子ども会 写真を見て 自然 雨 雪 花 虫 動物 星 月 太陽 山 川 海 四季 にじ 心・気持ち 好き きらい ゆめ ねがい なやみ 喜び うれしかったこと くやしかったこと 楽しかったこと 悲しかったこと 苦しかったこと はずかしかったこと おそろしかったこと こわかったこと こまったこと からだ からだ 頭 目 鼻 口 耳 首 胸 うで 手 エ)「題さがし」の出発点から,五文字以上の修飾語や主語・述語をもった形の題を見つけさせる。―その例―
・冬の水仕事 ・日本人の余暇の利用
・初めて作ったカレーライス
・人間にもて遊ばれている猫や犬このように,題さがしの訓練をするときは,その題で文章を書く自信がなくともかまわない。作文を書くことを考えずに,「出発点」の言葉からどんな題を思いつくか,どれだけ魅カのあ