研究紀要第58号 「教育課程の実施に関する研究」 -055/076page
る題をたくさん考え出せるかを試みることである。
オ)「題さがし」出発点の言葉から,五つぐらいの題を見つけさせる。次の例は,「登校」を出発点の言葉として見つけた場合である。
・登校中の朝のあいさつ ・登校拒否
・宿題を気にしながらの登校
・遅刻とさよならしての登校
・声だけが聞こえる朝もやの中の登校このように,いくつもの題を考えることによって,おもしろい題,これならうまく書けるという題を見つけることができる。
イ 構想指導
(ア) 症状─ 書くことは決まったが,どのような順序で書けばよいかわからない。
(イ) 治療法
ア)構成のしっかりした文章を書くには,きちんとした構成設計図を書かせる。
イ)書こうとすることの中心になる内容を書かせる。
ウ)中心内容を支える部分を,思いつくままに,1カ―ド1センテンスで書かせる。
エ)中心内容,それを支える部分の要点が決まったら,その要点のまわりにどんなことを書くか細かい部分を考えさせる。
オ)順序を考え,カ―ドを並べて整理させる。
カ)全体を眺めて,もっとよいものに改めることができないかを考え,訂正や追加をさせる。次の例は,構成設計図をもとにして書いた中学生の作品である。
題 新しい道 主題 自分の手で土をおこし,石をとりのけ,自分の足で踏みかためて,ゆっくりゆっくり私の人生という確かな道をつくろう。 ウ 記述指導
(ア)症状 言葉の使い方や表現の仕方が思うように書けない。
(イ)治療法
記述カを伸ばし,表現カを確かにするために,短時間に効果的に取り入れることのできる記述の練習方法として,次のようなものがある。
ア)聴写
小学校低学年では,簡単な文をゆっく