研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -009/053page
2 調査の結果と考察
教育目標に関しての教師の意識
問 1 学校の教育目標について あなたの考えに合うものを下記の項目より1つ選んでください。
図―1 ( N=340(小),142(中),110(高) )
(1)上記の問いに,3(丸囲み)・4(丸囲み)と答えた方は,その理由を1つ選んでください。
<考 察>
教育目標の必要性……図―1
小・中とも,およそ80%近くは「大変必要である」と考えており,「ある程度必要である」と考えている人数と合わせると,90%以上は教育目標が必要であると考えていることがわかる。しかしごくわずかではあるが,「なくてもよい」,「あまり必要ない」と考えている教師もいる。「必要でない」と考えている理由をみると,目標そのものが実態に即していないから役にたたない(小4人,中1人),教育は,個人の持つ主体的な取り組みの中でこそ行われるべきであるから現在のような目標は必要ない(小1人,中1人)となっている。同じ問いに対して,中・高の教師の中には教科で考えられている目標達成を目指すことが,重要であるから教育目標は特別必要でないと考えている向きもみられる。現在のような受験体制の中では,各教科で目指す目標を達成することが最も必要であり,教師にとっても心をくだく最大の事がらであることは否定できないことであると思われる。
教育目標の意義……図―2
「必要である」と考えている理由を問う設問では,小・中・高ともに,「教育目標は,自校の教育に対するねらいを明確にする」という回答がやや多いようである。これは,学校という公の機関では,個人の恣意では活動できないことや,同一