研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -010/053page
の目標へ向けて実践することの必要性を裏付けているようにも思われる。この設問の選択肢は,いずれも重要な意味を持つが,3(丸囲み)に比べて4(丸囲み)を選んだ割合がやや低い。このことは,「教育目標は必要である」と考えてはいても,それが,日々の授業やその他の教育活動にまでおりていっていない現在の姿を反映しているようにも考えられる。
以上,各設問ごとに考察してきたが,全体的には次のような問題点を含んでいると考える。
○ 小・中・高ともに,「教育目標は必要である」 とは考えているが,「必要である」ことの意味 を十分にとらえてはいないように思われる。
○ 「必要である」と思いながらも,それほどの 切実感はないようである。なぜなら,「教育目標は ある程度 必要である」と考えている教師が小・中で約20%,高校で約40%ほどいること,また,「大変必要である」と回答した教師でも「教育目標は日々の授業やその他の教育活動の指針である」と受けとめている割合はあまり高くないという結果が出ているからである。
○ 「必要でない」と考えている教師の中には,「教育目標があまりにも抽象的であり,具体性に欠けているので,必要であると思っていても現在のままでは役にたたないので必要ない」と述べている者もいる。これは,教育目標の設定のしかたや,その表現方法にかかわる問題として十分検討しなければならない事項であると考える 。
教育目標設定の手順及び検村の基本条件に対する教師の意識
問2 自校の教育目標設定に関して,次のそれぞれの条件から考察し,あなたの考えに最も近いものを1つ選んでください。
(1)学校の教育の目的・方針(憲法・教基法・学教法・学習指導要領)との関連の吟味
図―3 ( N=316(小),139(中),95(高) )