研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -014/053page

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(3) 教育目標の検討について,先生方の受けとめ方はどうでしたか。
図―10  ( N=308(小),137(中),81(高) )
図―10

(1) 3の(1)で2(丸囲み)と答えた方は,調査した内容について,次の項目の中であてはまるものに○をつけてくださぃ。

<考 察>

教育目標の検討の程度……図―8

 小・中では約70%が「検討した」と回答しており,「十分検討した」と回答した人数を合わせると約80〜90%は教育目標の検討を行っているように見うけられる。しかし,「十分検討した」と回答した割合は小・中・高ともに20%前後にとどまっていることから,教育目標の検討に十分意をそそいでいるとは思われない感じもする。学期末や学年末の反省をもって「検討した」と考えられているとするならば,教育目標検討の教育的意義について再考されなければならない問題である。

検討方法……図―9

 小・中・高ともに「反省記録の集約」と回答した割合がやや高い。中学校では「校務運営委員会や特設検討委員会で原案作成」と回答した割合が全体の中で最も高い比率を示しているが,小学校では,「反省記録」と同様に「学年会での話し合い」に回答した割合が高くなっている。
 小・中では,個人の意見を大切にしながらも,学年会や特設委員会で検討していく傾向が多いように見うけられる。
 ―方,高校では,―人―人の教師のそれぞれの反省記録を手がかりにしながら目標検討を行っていこうとする傾向が強いように思われる。

検討に関しての教師の意識……図―10

「意欲的に意見を出し合う」という回答は,小中では,約50%,高校では約30%の割合を示しているようである。「検討の必要は認めているがのり気でない」と回答した割合は,小・中・高とすすむにつれて高くなってきており,「教育目標の検討」に関しての意欲がしだいに弱まっていく傾向にあると見てよいのではなかろうか。
このことは,「検討の必要を感じない」と回答した割合にも表われているようである。
「検討の必要を感じない」と回答した中には,「教育目標は,我々がめざす理想であり,毎年変わるべきものではないから,検討しなくてもよい」というとらえ方をしている教師もいる。問4の(1)の結果とも関連するが,教育目標の検討に関して十分考えなければならない問題であろう。

以上,教育目標の検討に関して,その内容や方法,及び教師の取り組みについて考察したが全体的には,次のような問題点があるように思う。

○ 小・中・高いずれも,「検討している」という比率は比較的高いが,小・中・高と進むにつれて,「検討しない」比率も高くなっている。
(3)の設問の結果に見られた教師の意識と対比すると,小・中・高と進むにつれて意識も低くなり,教育目標の検討もあまりなされないという結果を招いているようである。

○ 検討の方法では,個人の反省記録を重視し,学年会や委員会で更に検討していく方法が多く とられているが職員会…議など,全体の場での検


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