研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -017/053page

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<考 察>

各教科目標との関連……図―13

 各教科の目標に教育目標が関連づけられているかという問いに対しては,「十分考えている」と「少しは考えている」とを合計すると小,中とも約95%になり,このことから,各教科の目標と教育目標との関連の必要性を認めているように思われる。

 しかし,「十分に考えている」と回答しているのは小学校約40%,中学校約26%でしかないこと,また,「考えていない」が小・中とも約5〜6%の割合を示していることなどから,実際には関連づけについてはあまり考慮されていない傾向があるように思われる。

 各教科の目標と教育目標の関連づけがあまり考慮されていない傾向は小・中ともほぼ同じであると言えるが,中学校の方がやや強いと見ることができる。

関連づけを図るうえでの問題点……図―14

考えていない理由を問う設問では,小・中ともに「必要があると思うが手順方法がわからない」という理由が非常に多い。これは,各教科の目標に教育目標を関連づけることを「考えていない」のではなく,関連づけを図る手順方法が明確になれば関連づけを図っていきたいという意識が十分にあると見てよいように思われる。

 なぜなら,「関連を考える必要性を感じない」2人,「教育目標と各教科目標とは全く別のもの」l人と,各教科の目標と教育目標との関連の必要性を認めない教師が極めて少数であることからもうなずける。

 「学校の教育目標を教育課程の編成,実施や授業の実践にどう結びつけ,具現するかは,教育現場における研究を深めなければならない最も大きな課題である。」 (福島県教委会「教育福島」8月号)と述べているが,この指摘を,図―13 について左に述べたことと関連づけて考えると次のような問題点があげられる。

○ 「少しは考えている」の小学校約55%,中学校約67%の回答には,教育目標と教育課程の編成・展開との関連の必要性について,切実にうけとめていない教師の意識化の問題があるので はないか。

○  図―14 の2(丸囲み)にあらわれているように,教育目標を各教科目標にいかに系統的に関連づけるかを学佼全体のレべルで協議されないのではないか。

 したがって,関連の必要性は意識されたとしても,そのための具体的な手順・方法の手だてが講じられないのではないか。

● 即ち,教育目標 年度重点目標 各教科・領域の目標の系統性をいかに保つかにあまさがみられるように思われる。

教育課程の編成における教育目標と道徳目標との関連

問8 教育課程の編成にあたって,道徳の目標に学校の教育目標との関連を考えていますか。

 (1) あなたの考えに合うものを下記の項目より1つ選んでください。

 図―15  ( N=314(小),140(中) )
図―15


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