研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -020/053page

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校内研修内容と学校の教育目標との関連

問10 校内での授業研究の際,教科の目標,内容,指導法にかかわるもの以外に,学校の教育目標の内容にかかわる視点での話し合いをしていますか。

 (1) あなたの考えに合うものを1つ選んでください。

 図―17  ( N=314(小),140(中) )
図―17

 (2) (1)で,1(丸囲み)と答えた方は,その理由を1つ選んでください。

 図―18  ( N=67(小),32(中) )
図―18

<考 察>

授業研究と教育目標……図―17

 各項目ごとに,小・中とも,ほとんど同率で回答されているのは興味あることである。

 「いつも話し合っている」という教師が,小・中とも約16%で―番卒が低く,「話し合っていない」と答えている教師が,小・中とも約25%であることから,学校の研修活動の中心となる授業研究が,教育目標とは無関係に進められている学校が,かなり多いということがわかる。

 また,「ときどき話し合っている」という回答が,小・中とも約60%であるが,「話し合っていない」という回答と合わせると,約80%の教師が,教育目標と校内の授業研究のかかわりには,深い関心を示していないということが言えるように思われる。

教育目標のことを話し合わない理由……図―18

 「教育目標のことを話し合っては教科のねらいが不明確になるのではないか」と考えている教師が小,中とも約10%程度あり,教育目標よりは,教科の目標中心の考え方がうかがわれる。

 さらに,「意図的に話し合わなくとも,結果としては教育目標にかかわってくる」と考えている教師が,小・中とも約80%あるがこれは教育目標を,授業とか校内研修の中で考えなくとも,何とか達成されるのではないかという考え方が,その意識の底にあるためではないかと思われる。

 このことは,わずかに5%ではあるが,小学校教師の中に「教育目標は教科以外の活動で十分達成できる」という考え方があることからも,うかがい知ることができる。

 そしてまた,その他のところで,「教育目標のことまで話し合う時間の余裕がない」と述べている教師が小・中ともあることから,教育目標よりも研究教科の目標とか.授業研究のねらいを優先する考え方がうかがえる。


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