研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -022/053page

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ている」と回答している教師が20%と,約2倍になっており,「全教科について……」よりは,「教科をきめて……」という考え方の方が強いことがわかる。

 しかしこのことは,2(丸囲み),3(丸囲み)の場合,つまり教育目標の達成を,教科の学習の中で関連的に図っていこうとしている学校の場合であって,問題は「特に配慮はしないが,教育目標とのかかわりに留意して指導している」と回答している教師,小学校57%,中学校72%にあると考えてよいだろう。つまり,「留意して指導している」という場合,どのような点に留意しているのかは,この設問からは,つかみにくいが,例えば教育目標を指導計画に位置づけることなしに,たまたま教材内容が教育目標にかかわっていることに気づいて,指導につけ加えるとか,指導の途中で教育目標を思い出して,教科の指導内容に関連づけるとか…という程度にとどまっているとすれば,教育目標達成へ向けての指導の効果は,あまり望めないと考えられる。

教育目標と関連教科……図―20

 図―20の結果と,県下の小学校42校について別に調査した,表―3とを対比すると,国語,社会算数,理科と,「思考・工夫・学力」,体育と,「健康・体カ」,道徳・学級会と「思いやり・礼儀・助け合い」「勤労・実行・認耐」「規則・責任」が,それぞれ重点的に関連づけられ,指導の上でも当該教科と教育目標との関連が考えられているようである。

 しかし,これも小学校では,回答者の21%,中学校では3%に過ぎないことに留意したい。

 以上,各設問について考察したが,全体を通して,次のようなことがいえると思う。

○ 小・中とも,各教科の指導計画を作成する場 合に,教育目標にかかわりを持つと思われる重 点教科をいくつか決めて,その関連を図ってい くことが望まれる。

○ 教師自身の,教育目標具体化に対する意識の変革を図りながら,その考え方を,全教科,全 教育活動にまで,指導計画の上に位置づけていく努力が必要と思われる。

  健康・体力 思考・工夫・学力 思いやり・礼儀・助け合い 勤労・実行・忍耐 規則・責任
教育目標 ・じょうぶで明るい子ども
・健康で明るい子
・たくましい子ども
・体カのある元気な子ども
・心身をきたえる子ども
・よく考え工夫する子ども
・よく考える子ども
・自ら考え工夫する子ども
・学カを身につける子ども
 
 
・思いやりがあり礼儀正しい子ども
・礼儀正しくやさしい子ども
・豊かな心で協カできる子ども
・仲よく助け合う子ども
 
・勤労を尊び最後までやりぬく子ども
・がまん強い子ども
・すすんで働 く子ども
 
 
 
・責任をはたす子ども
・規則を守り責任を果たす子ども
 

 
 
 
校数 33 41 27 22 3

学校の教育目標と教育実践との関連

問12 学校の教育目標を,日々の教育実践に生かしていますか。

 (1) あなたの考えに合うものを1つ選んでください。


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