研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -025/053page

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 (2) (1)で1(丸囲み)「考えていない」と答えた方は,その理由を1つ選んでください。

 図―24  ( N=41(小),17(中),9(高) )
図―24

<考察>

教育目標と教科の授業……図―23,24

 教育目標を,日常における各教科の授業に関連づけて指導することは,教育目標の具現の上で極めて重要な意味を持っていると考えられている。図―23の結果によると,そのことを「考えていない」とする教師が,小・中・高平均して,約13%もあり,「少しは考えている」と回答している教師が,小・中・高平均55%にもなっている。

 その理由としては.図―24によると,1(丸囲み)「教科の目標を達成すれば,学校の教育目標は達成される」という考え方が,小・中・高とも一番多く,教育目標を授業とのかかわりの中で達成することの,必要性に対する認識が低いことを感じさせる。

このことは,次に多い,「教育目標のことまで考えると,学習のねらいが複雑になる」という考え方と,「その他」の項目の中に,「教科の指導の中にまで,教育目標との関連を考える必要はないのではないか」という考え方を持っている教師がいることからも,理解できる。

この設問を通して考えられる問題点をあげると,次のようになる。

○ 教科の授業を行う場合に,学校の教育目標との関連を持たせることが,教育目標の達成とい う意味から,重要なことであると考えている教師は,図―23から,小・中・高平均約32%であ り,約68%の教師は,このことをあまり真剣に考えていない。このことは,児童生徒の学校生活の大部分を占めるのが教科の授業であることを考えると,問題は極めて大きい

○ 図―24の1(丸囲み)と2(丸囲み) 「教育目標は,教育の目標を達成すれば,おのずと達成される」「教科の指導内容に教育目標を関連させて,学習のねらいを複雑にする必要はない」を,小・中・高合わせると57人で,回答者543人中約10%を占めている。

しかし,割合においては低い率を示しているが,教育目標に対する認識の仕方が根底に横たわっているだけに,問題は大きいといわなければならない。

したがって,教育目標と授業との関係を一人一人が正しく認識し,そのうえにたって,授業実践という視点から,帰納的に教育目標を問い直し,教育目標をうけた具体的な指導方法がうちたてられ実践化がなされなければならない。

 道徳の授業と,教育目標との関連

問14 道徳の授業を行う場合,指導内容に学校の教育目標を関連づけて考えていますか。

 (1) あなたの考えに合うものを1つ選んでください。


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