研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -026/053page
(2) (1) で,1(丸囲み)「考えていない」と答えた方は,その理由を1つ選んでください。
表―5 ( N=24(小),11(中) )
項目\校種(人,(%)) 小学校 中学校 計 1(丸囲み) 道徳の目標を達成すれば,教育目標は達成される 14(70%) 6(55%) 20 2(丸囲み) 教育目標のことまで考えると,道徳のねらいが複雑になる 7(30%) 4(36%) 11 3(丸囲み) 教育目標は 道徳以外の活動で十分達成できる 0 0 0 4(丸囲み) その他「道徳の目標だけ考えて,教育目標まで考えていない」 0 1(9%) 1 計 21(100%) 11(100%) 32 <考 察>
教育目標と道徳授業の授業……図―25
教育目標と道徳の授業との関連については教科の授業との関連よりは,密接な関係があると―般にはいわれているが,県下の小学校42校について,学校要覧から調べた結果では,わずかに9校だけが,教育目標と道徳の内容の関連表を掲げている。
そこで,このことを,更に詳しく調べようとしたのが,この設問である。
図―25によると,「考えている」と回答した教師が小学校45%,中学校30%で,小学校が中学校よりも,道徳の授業の中で教育目標との関連を考えており,平均すれば約38%の教師が「考えている」ことになる。
この比率は,問13の(1),各教科の授業の場合に「考えている」と答えている。小・中平均約26%よりも多いけれども,決して満足できるものではないと思う。
「考えていない」という教師は,小・中とも7〜8%で,問13の(1),各教科の授業の場合に,「考えていない」と回答している。小・中・高平均約13%に比べてかなり低く,各教科の授業よりは,道徳の授業の方が,教育目標との関連を図って指導していることを示しているように思われる。
「少しは考えている」という教師が,小学校48%に対して,中学校が62%と,14%も多いのは,「考えている」の結果とも考え合わせて,小学校は中学校よりも,道徳の目標と教育目標との関連を考えた授業を行っていると言える。
道徳の授業で教育目標を考えない理由……表―5
1(丸囲み) 「道徳の目標を達成すれば,教育目標は達成される」と回答している教師が,小学校70%,中学校55%と―番多く,このことは,問13の図―24 「教科の目標を達成すれば教育目標は達成される」の回答が多いのと共通している。
この考え方を持つ教師は,図―25で「少しは考えている」と回答した教師の中にもかなり含まれていると予想される。
この設問と,問13の各教科の場合と合わせて
○ 教科,道徳の授業を行う場合の教師の意識には,教科及び道徳の内容中心の授業を行えばよ いとする考え方が大勢を占めている。
しかし,学校の教育目標具現の方策が,学校における全教育活動を通して行われることが望 ましいとするならば,教科,道徳の授業においても,教育目標との関連を十分に考えた授業展 開をすべきであるという考えを,一人一人の教師に定着させる努カが望まれる。