研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -028/053page
学校の施設設備と教育目標との関連
問16 あなたの学校の施設設備や教材教具は,学校の教育目標を達成するという考え方にたって,計画 的に充実が図られていると思いますか。あなたの考えに合うものを l つ選んでください。
図―27 ( N=312(小),137(中),91(高) )
表―7
問13教科と教育目標 % 問14 道徳と教育目標 % 問16 施設〜と教育目標 % A 1(丸囲み) 考えていない 13 1(丸囲み) 考えていない 8 3(丸囲み) 図られていない 12 B 2(丸囲み) 少しは考えている 55 2(丸囲み) 少しは考えている 55 1(丸囲み) 少しは図られている 69 C 3(丸囲み) 考えている 32 3(丸囲み) 考えている 37 2(丸囲み) 図られている 19 <考 察>
教育目標と施設設備……図―27
「図られていない」と回答している教師が,小中・高平均約12%を占め,ほとんどの教師が程度の差はあっても「図られている」と考えていることがわかる。
しかし,その充実のための施策が,教育目標の達成を前向きに考えてなされているのかどうかという点については,教育目標に対する意識の低さと対比すると,疑問が残る。
表―7は,この設問の結果と,問13の教科と教育目標,及び問14の道徳と教育目標の調査結果とを比較したものであるが,Aの項目が一番少なく,次がC,Bの順になっている。
つまり,教科や道徳の授業を行う場合,教育目標との関連を図ろうとしている学校においては,施設設備や教材教具も,その線に沿って充実しようとしている姿がうかがわれる。
施設設備や教材教具の充実に当たって配慮すべきことは,次のようにまとめることができる。
「特別活動の内容には,教育目標の内容が含まれる」というのが多いが,これは,問13の「教科の目標を達成すれば〜」と,問14の「道徳の目標を達成すれば〜」の回答が多いのと似た傾向を示している。このことで,教育目標達成にかかわる教師の意識をうかがうことができる。
○ 教育課程の実施に当たっては,計画に対応した施設設備が,教育的配慮のもとに,きめ細かに整備される必要がある。
つまり,学校の施設設備の計画樹立の際,学校の教育目標を効果的に達成するために,何が必要かという観点から設計され,教育課程の実施に向けて,合理的に整備されなければならない。
○ 教材教具の整備に当たっては,一般には教材費による購入をまず考えて,充足率の低いものから順に充実していく方法がとられるのが常態であるが,これについても,教育目標とのかかわりを考慮に入れて,購入計画を立てることが必要である。