研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -029/053page
学校の教育目標達成評価の実施状況
問17 学校の教育目標が,どの程度達成されたかということについて,具体的な評価をしてきましたか。
(1) あなたが行ってきた,学校の教育目標の評価について,下記の項目より1つ選んでください。
図―28 ( N=312(小),139(中),91(高) )
(2) 上記で,2(丸囲み)と答えた方は,その主なる方法を下記の項目から1つ選んでください。
図―29 ( N=235(小),100(中),26(高) )
<考 察>
教育目標達成評価の実施状況……図―28
小・中とも「学校で定められた方法で評価」がおよそ90%で圧倒的に多く,「ほとんど評価を行わなかった」「自分なりの方法で評価」は,いずれも約6%と少なくなっている。
ところが,高校は「自分なりの方法で評価」が45%で最も多く,「ほとんど評価を行わなかった」が,小・中の4倍もあり,「学校で定められた方法で評価」は,逆に小・中の約 と少ないなど,小・中がほぼ同じような傾向を示しているのに対し,高校は異った比率になっている。これは,教科担任の比重が極めて大きいためと思われる。
学校で定められた評価の方法……図―29
「学期末に全員で話し合う」が,小・中・高ともに最も多い。また,小・中では,これに次いで「随時,会議の折などに全体で話し合う」ことがかなり行われているのに,高校は,ほとんど行っていない。また,「その他」の中には,学校で定められた方法で評価しても,その結果が個人の段階でとどまっているというのがあった。
問題点としては次のようなことがあげられる。
○ 「学校で定められた方法で評価」という回答 には,―般的に行われている学校経営についての反省も含まれており,また,高校では,自分の教科についての評価が含まれていると思われる。
○ 実践の各過程での評価が重要であることから考えてみると,学期末ごとの反省評価だけでは 十分ではないし,評価の結果も真に生かされてはいないのではないかと考えられる。したがっ て,評価への今後の取り組みが一層望まれる。