研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -030/053page
学校の教育目標達成評価の時期
問18 学校の教育目標達成の評価の時期について,あなたの行ってきたものに近いと思われるものを,下記の項目より1つ選んでください。
図―30 ( N=313(小),139(中),91(高) )
<考 察>
教育目標達成評価の時期……図―30
小・中・高とも「学期末」が,約90%で最も多く,学年末が約1%で,これに次いでいる。
また,月末・過ごと・毎日という回答に関しては,わずかながら差が認められるけれども,ごく少数であり,全体としては,小・中・高とも,ほとんど同じような比率を示しているといえる。
ところで,表―8は,問12(1)「学校の教育目標を日々の教育実践に生かしているか」と問18の上位2項目を関連させてみたものである。
評価が理想的に実施されているならば,授業実践に生かされているであろうと考えたからである。
表―8 ※( )内は,中学校 単位%( N=295(小),132(中))
問(1) 日々の授業実践にいかしているか 問18 評価の時期はいつか 1(丸囲み) 生かしていない 2(丸囲み) 少しは生かしている 3(丸囲み) 生かしている 1(丸囲み) 学年末に評価 6.5(0) 58.1(64.3) 35.5(35.7) 2(丸囲み) 学期末に評価 1.9(0) 41.7(56.8) 56.4(43.2) しかし,表を見ればわかるように,必ずしも評価したことが授業の実践に生かされているとは言えないようである。
とくに,中学校は「生かしていない」の回答が0ではあるが,「学期末に評価」しながらも「生かしている」割合は小学校より低く,「少しは生かしている」方へ傾斜していることから,小・中の違いはさほどないものと考えてよいと思めれる。
ただ,問17同様,教育目標達成そのものの評価についての調査を意図したものであるが回答の中には,普通―般に行われている,いわゆる学校経営に関する反省的なものが多分に含まれていると思われる。
目標達成の評価の時期に関しては,次のようなことがいえよう。
○ 目標達成を把握するための評価は,結果では なく過程が大事であり,その都度実施されなければならないはずである。月末・週・毎日の評価が極端に少ないということは,授業実践など諸教育活動までは目標の具体化が図られておらず,評価も十分に行われていないと思われる。
○ 学校の教育目標達成評価ということをあまり意識しないで行った,いわゆる学校経営の反省的なものが多く含まれていると思われる。