研究紀要第59号 「学校経営改善に関する研究 第1年次」 -042/053page
<考察>
1 学校教育目標と教職員の意義について
- これまでは,ほとんど関心を示さなかった。
- 一応理解しているが,若い教員が多く必要性などについての認識は深まっていない。
- 具現のためのよりよい方策の創造の研究をしなければならない。
- 教育目標の価値分析の方法がわからない。
- 教育目標具現化計画のたてかた,意識を高めていく方法がつかめない。
- 校務運宮における教職員の使命観,とくに計画を実践に生かす構えが望まれる。
- 教科指導で教育目標の具現を志向している教員は少ない。
- 校長がやるものだという間違った意識が強い。
- 個人差が大きく,実践とのズレも大きい。
- 設定過程を重視し,見直しの必要感や事由について全職員で協議するなど意識を高めよ うとしている。
- 週案に学校の教育目標を具体化した週の生活目標を書き込むことにしているので,意識 は高いと思われる。
※ 各学校とも,教育目標への意識を高めようという校長や教頭の努カが見受けられるが,そのための方法などがまだ確立されていない。
教職員一人一人が真に自覚し,授業実践の場などで学校の教育目標を生かしていくことは,今後の研究や取り組みに待たなければならないといえる。
とくに,中学校は,教科担任などの関係からか,小学校に比べ全体としての取り組みが容易でないように考えられる。
2 学校教育目標と学年・学級への具現化
- ほとんど具現化がなされていなかった。
- そのまま学年目標としている傾向がある。
- 小規模校のため学年経宮が欠落しがちである。
- 学年・学級への具現化が考えられてはいるが,児童生徒一人一人までには浸透していない。
- 学校の教育目標が表現上大変難しいので,なかなか理解しにくく,大事な点が見落とされている。
- 学年におろされ,月,週の生活目標に具体化されている。
- 学年・学級経営誌によって具現化がなされている。
- 学年目標は学年で,学級目標は担任及び生徒の話し台いで作成されている。
※ 学年・学級への具現化については,一部の学校で特別な事由から行われていないだけで,何らかの形で努カが続けられている。
しかし,実践への結びつけは必ずしも十分ではなく,単に学校の教育目標を学年 → 学級と平易な表現に改め,それを示すことをもって,「具現化」としているなど,評価までを含めて,児童生徒一人一人にとらえられるまでにはなされていないといえる。
3 学校の教育目標と各教科・領域等への具現化
- 各教科への具体化・具現化が一番の陥没点である。
- 特別活動・道徳・生徒指導などに比べ,教科への具現化が極めて難しい。
- 各教科の目標,内容の消化が精一杯で,学校の教育目標の具体化は行れていない。
- 学年や該当部会に一任され,全員一致の取り組みまでにはいたっていない。
- 具体的な行動目標などにはおろされていないし,評価もなされていない。
- 一応図られ,具体化のための一覧表まではできている。
※ 学校教育目標の各教科・領域などへの具現化に関しては,予想していたように,教科指導で具現することが一番の陥没となっている。
生徒指導関係で,いわゆる生活目標などが設定され,そのことについての反省・評価が行われている程度で,とくに中学校では,教科指導