研究紀要第60号 「『関心・態度』の評価に関する研究」 -018/049page
関心を持ち,それを意欲的に調べようとする」というレベルにとどまるのが一般的である。
以上の考えに基づいて,「関心・態度」の形成過程の構造を明らかにするためには,まず,最も低いレベルの「関心・態度」の前提となる認知的な側面での要素をおさえ,次に,その「関心・態度」がどんな認知的な側面における成果をもたらすかを明らかにするという具合に,「関心・態度」と認知的な側面の両面の要素を交互に追究していくことが必要である。
こうした手法で,先にあげた「製鉄に必要な資源の確保とその有効な活用について興味を持って追究しようとする」という「関心・態度」の形成過程を分析したのが,下の図4である。
この目標を達成するためには,鉄の生産工程のあらましを理解していることが大前提である。それは,目標にせまる第一歩となっている「鉄の生産には,水が使われていることに注意が向く」という下位目標1を達成するために,どうしても必要な条件だからである。下位目標1を達成すれば,次に鉄の生産における水の役割の理解へと進み,この理解を足がかりとして,