研究紀要第61号 「生徒指導に関する研究」 -000-01/043page

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 ま え が き

 児童生徒の様々な問題行動が増加している中で,生徒指導の在り方が厳しく問い直されている現在,本県の各小・中・高等学校では,生徒指導の充実・徹底を期し,真剣に取り組まれていることは,誠に喜ばしいことである。

 これら問題行動への対応は,基本的には,児童生徒の健全育成や生徒指導の本質に基づく積極的な指導の推進によって解決されなければならないと考えられる。

 当教育センターでは,このような実践上の課題解決に寄与することを目指し,本年度より,これまでの「事例を通した教育相談の進め方に関する研究」に併せて,問題行動を生み出していると思われる背景に視点を当て,新たな角度から生徒指導に関する研究に取り組むことにした。

 本年度の研究主題は,先に,総理府青少年対策本部が,「青少年白書」の中で,青少年の問題行動増加の背景や要因と深いかかわりがあるとみられる現代青少年の性格的特徴として,第一に,「耐性の欠如」を指摘していることをふまえ,「児童生徒の耐性に関する研究」とした。

 本研究は,県下の小・中学校の児童生徒及びその保護者や教師を対象にした調査を通して,児童生徒の耐性にかかわる実態をとらえ,耐性醸成のための基礎的な手がかりを追求し,指導の一資料を提供することを目指すものである。

 本研究が,県内児童生徒の耐性にかかわる一般的傾向の理解に役立ち,しかも,一人一人の児童生徒の内面に迫る生徒指導の基礎資料として活用されれば幸いである。

 本研究の推進に当たり,各研究協力校の先生方をはじめ,調査などのために特段の御協力をいただいた関係各位に対し,深甚なる謝意を表する次第である。

昭和60年3月

福島県教育センター所長  舟 山   昇


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