研究紀要第61号 「生徒指導に関する研究」 -014/043page

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1 耐性を促進する特性・要因からとらえた児童生徒の実態とその考察

耐性特性〔意志力(要求・欲求)〕  家庭生活の場面

〔児童生徒〕          N……調査対象者数

問い どうしても買ってほしいものがあって,家の人にたのみましたが,「だめ。」と言われました。あなたならどうしますか。

〔意志力(要求・欲求)〕〔児童生徒〕

〔保護者〕

問い あなたのお子さんは,ほしい物を買ってもらいたいとき,あなたがことわった場合,どうしますか。

〔意志力(要求・欲求)〕〔保護者〕

 〈考 察〉

 家庭生活における児童生徒や保護者に対する物への要求・欲求についての設問の回答は,子供の自己評価と親の評価がほぼ一致した傾向で,小学生と中学生を比べても,ほとんど差はみられない。

 現代の子供たちの傾向としては,欲しい物への執着心が強く,それを抑制する力はあまりないだろうと思われることから,回答は選択肢2に多く集まるものと予想した。しかし,調査結果では,選択肢3の回答が最も多く,選択肢4を合わせると,小学生83%,中学生71%に達する。したがって,この結果をみる限りでは,物品に対する自己の要求や欲求を抑えるカがあると言える。

 親も,選択肢3と4を合わせて小・中とも80%であることから,各家庭では,子供の要求・欲求をそのまま受け入れるのではなく,諸事象に応じた適切な指導やしつけがなされていると思われる。

 しかし,注目したいことは,児童生徒の選択肢1と2の回答を合わせると,要求・欲求を阻止されたとき,小学生で約20%,中学生で約30%が,「ふきげんになってあたりちらしたり,買っても


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