研究紀要第61号 「生徒指導に関する研究」 -015/043page
耐性特性〔意志力(要求・欲求)〕 学校生活の場面
〔児童生徒〕
問い あなたは学校で,自分にとって何か気に入らないことがあると,先生や友達に「こうしてもらいたい。」とか「自分はこうしたい。」ということを言いますか。 〔教 師〕
問い あなたの学校の児童生徒には,学級やグループの生活の中で,集団の和を乱すような要求や欲求を主張する姿がみられますか。 らえるまでねだったりする」ということである。
このように,不満の態度を示す児童生徒がいることは,保護者の選択肢1,2を合わせた回答が,約20%あることからも裏付けられる。
学校生活における児童生徒への設問では,小・中とも選択肢3が40%強で最も多く,選択肢4を合わせると,60%強が自分の気に入らないことがあっても,自己の要求などを「ほとんど,あるいは,まったく言わない」と回答している。
これに対し,教師が広い視野からとらえた児童生徒の姿では,小・中の教師とも約50%が,集団の和を乱すような要求・欲求を主張することが「ときどきみられる」としている。このことは,児童生徒の選択肢2「ときどき言う」が約30%あることから考えてもうなずけるし,事象によっては,このような態度を示す児童生徒がいると言える。
学校生活において,このような集団の和を乱す姿がみられることは,今後の生徒指導上の一つの課題とも言える。要求や欲求の程度によって,子供の姿は,その都度変わるのは当然としても,自己の要求や欲求をある程度抑制できる力を育てることは欠くことのできないものと言える。