研究紀要第62号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -014/049page

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付  事例に用いた心理検査

●  性格検査(YG) 適用範囲小学2年生以上

 ギルフォード(米国)の3種類の性格検査をもとに作られた質問紙形式の性格検査である。12の下位尺度で構成され,尺度ごとに10個の質問項目があり,前半6尺度で情緒安定性を,後半6尺度で向性を示し,下位尺度の得点によるプロフィールによって性格類型を判断する。その性格類型から性格の判定をする。また得点及び各因子の関連から特徴的な性格特性をみる。

●  問題性予測検査(DAT) 適用範囲中学生以上

 問題傾向の早期発見,診断を目的として作成した質問紙法検査で,潜在的問題を適応傾向,性格傾向,規範逸脱傾向,反社会的問題傾向に分けて見ることができるものである。また,これらを総合して,問題傾向がどの程度の危険性を持つかという,危険性の度合いを見ることができる。

●  CM1健康調査表  適用範囲14歳以上

 神経症の簡単なスクリーニングを目指す質問紙法の心理テストである。身体的自覚症についての質問と精神的自覚症についての質問からなり,現在の自覚症のほかに既往歴,家族歴も含まれる。

 神経症判別図により, 1〜4の領域のいずれに位置するかによって神経症の有無が判別される。

 また,特定の精神的項目のチェックにより心理的自覚症を見ることができる。

●  親子関係診断検査(田研式) 適用小4年以上

 子供の個性や行動を理解するために家庭における人間関係を科学的,客観的に診断する目的で作成されている。

 質問紙法によりダイヤグラムを作成し,両親の養育態度を拒否,保護,支配,服従の関係と,矛盾,不一致の領域から見ていくものである。

 親用と小学校4年生以上に適用する子供用とがある。両親の養育態度および,子供の問題徴候についての両親の判断と,子供からみた両親の養育態度の判断との一致,あるいは不一致から親子関係について考察することができる。

●  不安傾向診断検査(GAT) 適用小学4年以上

 質問紙法により,不安感情の向けられる対象と不安によって生じる行動の面から,不安傾向を測定する。測定する尺度は,学習不安傾向,対人不安傾向,孤独傾向,自罰傾向,過敏傾向,身体的徴向,恐怖傾向,衝動傾向の8尺度からなる。尺度の結果は,偏差値を用いたダイア・グラフに図示し,問題点を診断する。

●  エゴグラム (九州大学式)

 自分自身の自我状態を自己分析することによって,自我状態に気づき,他人との人間関係を自分でうまくコントロールできるようにしていく方法である。

 チェックリストによってグラフ化し,批判的な親の自我状態(Critica1 Parent=CP),保護的な親の自我状態(Nurturing Parent=NP),大人の自我状態(Adu1t=A),自由な子供の自我状態(Free Chi1d=FC),順応した子供の自我状態(Adapted Chi1d=AC)の五つに分けて分析することができる。

●  バウムテスト (Der Baum Test-The Tree Test)

 投影法の一種で,一定の用紙に描いた樹木画を基に,形態(樹木のかたち),動態(鉛筆のうごき),空間象徴(紙面の配置)から,発達面,性格面を検査する。適用範囲は幼児以上である。


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