研究紀要第63号 「教育課程の実施に関する研究」 -013/093page

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 ところで,一般に形成的テストを小単元に位置づける場合に,次のようにするのが多いようである。

小単元の学習課題   形成的テスト    
  (目標未達成者) 基礎的内容の補充学習
   
  (全目標達成者) 発展的学習
     

 しかし,この方法は,形成的テストの結果による学習分岐が中心となっており,興味・関心による学習分岐を閉ざす結果となり,社会科学習にはなじまない。
 そこで,本研究では,はじめに最低限度の共通して学習すべきことを一斉指導の形で展開し,次に興味・関心による選択学習を設定した。また,形成的テストは,その後に行うこととしたが,これによる補充的学習は,必要に応じて家庭学習にまわすなどして,どの児童も,最低1時間は,個別的なまとめ学習に取り組めるよう配慮した。
 このようにしてできたのが下の表5である。

表5 小単元「自動車工業の盛んな都市」の展開構想
表5 小単元「自動車工業の盛んな都市」の展開構想
(注)「主な達成目標」欄の数字は,P.A3の表1に示した目標番号を表す。

7.授業実践の記録
 本研究では,これまで考察してきた「一人一人を育てる」ための小単元展開の構想を基に,福島市立笹谷小学校の5年3組において授業実践を行った。授業を担当したのは,同校の菊地康則教諭である。以下,この小単元の一連の授業の中で,特に「一人一人を育てる」ための手だてに関する部分に限って,実践の記録を示しておくことにする。


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