研究紀要第63号 「教育課程の実施に関する研究」 -019/093page
の有無による磁力の違いは調べられない。電磁石については,このことも調べさせたい。
(2)改善の方策
1 短時間に,手軽につくれるようにするため各校の予防注射で使っている「使い捨て注射器(1立方p用)」を使って,その上に導線を巻くようにする。
2 消費電力(電流)をできるだけ小さくするため,コイルに対して直列に豆電球を入れて,流れる電流を制限する。ただし,導線の巻き数は多くしておく。
3 コイルの巻き数,電流の大きさ(電池の数)鉄心の有無による磁力の変化も調べられるように,コイルの巻き数は3段階にし,100回200回,300回ごとにタップをとり出しておく。また,注射器に入る,太めの鉄くぎを用意しておく。2.コイルのつくり方
(1)使い捨て注射器に下図のように,導線を通す穴を加工しておく。
図表−2 使い捨て注射器を用いたコイルづくり
(2)上図のように,Ø=0.4mmの銅線を手で巻く。
・100回,200回,300回巻いた所で10cmほど導線をタップとして出しておく。
・ 2重,3重になるところがあってもよいができるだけ両端まで一杯に巻く。
・まき終わったら,セロハンテープで止めておくとよい。3.自作電磁石の用いかた
次の図のようにして,電流と磁力についていろいろと調べてみるとよい。
図表−3 自作電磁石のつくり方
上図のように,右側の方に方位磁針を置いて次の点を調べる。
1 注射器に鉄くぎを入れたときと,入れないときの方位磁針の動きを調べる。
2 同じ電池の数のときの,コイルの巻き数による方位磁針の動きを調べる。
3 同じ巻き数のときの,電池の数による方位磁針の動きを調べる。(この時,電球の明るさに注目させる。)