研究紀要第63号 「教育課程の実施に関する研究」 -023/093page
く引かれる。動かないように押えておく。
※ プッシュスイッチを長く押しておいても磁化力は変わらない。長時間押し続けると過熱することがあるので注意する。
3 交流を直接用いているので,N極・S極の区別はできない。他の標準磁石で確認する。もし,極性が逆であったときは,もう一度初めから行う。
(3)消磁法
1 消磁するものをコイルの中に入れる。
2 切り替えスイッチを「消磁」側へ入れる。
3 プッシュスイッチを押し続けながら,ゆっくり消磁するものをぬいていく。(このとき100W電球が点燈しているのでわかる。)
(4)製作及び使用上の留意点
1 前頁4−(1)の組み立て図はベニヤ板を台板としたもので,塩ビ板を用い,配線を裏側にすると,安全できれいにできる。
2 着磁のとき,磁化するものが飛び出るときがあるので,コイルと電球は一直線上には並べないようにする。
3 着磁したとき,N極とS極をきまった所でできないが,学習指導時にいろいろな条件を提示できてよいと思われる。
4 U字型磁石は2回に分けて磁化するとよい。
5 「磁化」するとき,大量の電流が流れるため,プッシュスイッチを30秒以上押し続けるとコイルが過熱することがある。したがって児童には十分指導してから使用させるようにする。
6 使用中,コイルが熱くなったら(手で触れてみて熱いと感ずるほど熱がでたら)すぐに使用をやめ,しばらく放置してから使用する。6.学習指導への活用法
(1)小学校1学年
「磁石あそび」の教材でフェライト磁石を用いている授業が多いが,児童は日常生活で多く使ったり触れたりしているので興味・関心をあまり示さない場合が多い。
そのため,授業の始めに棒磁石を当研究の着磁・消磁器で着磁したり消磁したりして見せて興味・関心を持たせる。その後に,その棒磁石を用いて磁石の性質を探究させてやるとよい。
また,棒磁石のかわりに,児童の身の回りにある家庭用ハサミやドライバーなどを,児童一人一人に用意させ,それに着磁させて探究させるようにすると,更に自主的・体験的に,興味深く探究させられる。
(2)小学校3年 児童の自主的・主体的な探究と学習の個別化を強化するため,児童一人一人に家庭用小型ハサミや安全ピン・グリップなどを持参させ,次のような指導過程で探究させるとよい。
3学年理科「じしゃく」 4時間取り扱い