研究紀要第63号 「教育課程の実施に関する研究」 -027/093page

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ール管を用いる。
・ ポンプの吸収口は必ず下向きになるようにして使用する。
・ どんな真空ポンプを用いても,物理学上いくらかの空気は残る。したがって,フラスコに全部水が入ることはないが,小学校2年生には説明する必要はない。

(2)空気の重さを調べる指導法
1 小学校4学年「ものの重さとてんびん」の教材の「導入」または「まとめ」の段階で用いるとよいと思われる。
2 ねらいは「物の重さはてんびんなどで測れる。」ことであるが,ここでは,身の回りにある空気にも重さがあり,てんびんなどで測れることを調べさせることとしたい。
3 簡易真空ポンプは,使用上の特別な技能や注意を必要としないので,児童に自主的・主体的に探究させるとよい。ただし,上皿てんびんでは少々無理なので,電子テンビンや精密バカリなどを用いるとよい。
4 空気の重さを調べる実験法
 1.初めの重さ
  1.初めの重さ
 30立方cmの丸底フラスコを用い空気の入った全体の重さを電子テンビンで測定する。
 2.フラスコの中の空気をぬく。
  2.フラスコの中の空気をぬく。
 ポンプの中の弁が下向きになるように持って50立方cmの注射器のピストンを強く引く。引き終わったら再び,力を入れてピストンを押す。同様にして7〜8回くりかえす。最後に,非常に重くなったらやめる。(力を入れすぎて,ピストンがぬけてしまっても,続けて進めてよい。)
 3.空気をぬいた終わりの重さ
  3.空気をぬいた終わりの重さ
 ピンチコックを閉めて,再び電子テンビンで重さを測ってみる。
     ↓
 初めより軽くなっていたか。
 4.空気だけの重さ
初めの重さ   終わりの重さ   空気300 立方cm の重さ

    g

    g

     g


図表−13 空気の重さを調べる実験法

5 指導上の留意点
・ 空気の重さは1000立方cmで1.2gであり,300立方cmでは約300mg−400mgの実験値がでてくるが,小学校4年生の児童には正確な値を期待することはできない。
 ただし,空気にも重さがあることは十分に認識させておきたい。
・ 「空気に重さがあること」だけを調べるから,長さ1m程の木棒を用いててんびんをつくり,空気のあるフラスコと真空のフラスコを比較させてもよい。
・ フラスコに付けたゴム栓は,特にガラス管を入れた所から空気がもれやすいので留意しなければならない。
・ 真空にしたフラスコは大きな大気圧がかかるので肉厚のフラスコを用いること。

(3)真空中での音の伝わり方を調べる指導法
1 小学校5学年「音の伝わり方」の児童実験に用いるとよい。
2 ねらいは「真空中では音は伝わらない。」ことを調べる実験であるが,現在までは電動真空ポンプを使用するので児童に使わせられなかったり,水の蒸発を利用する真空づくりで危険が多かったりして十分に児童実験にでき


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