研究紀要第63号 「教育課程の実施に関する研究」 -028/093page
なかった。そのため,手軽で,だれでも使用できるこの簡易真空ポンプを利用するようにしたい。
3 実験方法
図表−14 真空中の音の伝わり方を調べる実験
4 指導上の留意点
・ この簡易真空ポンプの使用においては,特別の技能や注意を必要としないため,各学校に10台程用意し,児童に十分自主的・主体的に探究させるようにさせてやりたい。
・ ポンプとフラスコはセットにして使用するとよい。組み変えて使用しているうちに途中の管などから空気がもれる場合が多い。(4)真空中でのものの燃え方を調べる指導法
1 小学校5学年「ものの燃えかた」の指導の途中か,「まとめ」の段階で用いるとよい。
2 ねらいは「ものがもえるには,空気が必要であるJことを調べることであるが,まず,教師実験や児童実験で,容器の中でものを燃やすと段々と消えてしまうのは,空気がなくなったからととらえている。
この結論を求めたなら,当然「空気がなければ,ものはもえないか?」という児童の直観的な発想が生まれてくるのが普通であろうし,科学的な自然探究の上からも,子供の直観的な発想を大切にするということから,「空気のない所では,ものは燃えない。」ということをはっきりとらえさせてやりたい。そして,その後に教科書通り,空気の中の何が必要としたのか探究させるようにしたい。
3 そのため,この簡易真空ポンプを用い,手軽に,しかも,児童参加で下記のような演示実験を行うようにするとよい。
4 真空中でのものの燃え方を調べる実験法
・実験装置
・実験の進め方
1 空気を入れたまま,スライダックを用いてニクロム線に弱い電圧を加えながら赤熱させ,ローソクに点火してみる。
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2 点火したか?(※ もえる)
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3 終わったら,フラスコをはずし,水を入れながら中の空気を完全に入れかえる。
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4 真空ポンプで空気をぬいてから,ニクロム線で,前のようにローソクに点火してみる。
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5 点火したか?(※白い煙がでるが,もえない)
※ もし,真空ポンプを働らかせて真空にした後も点火したら何度もやってみる。
図表−15 真空中でものがもえるか調べる実験法